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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

ハクサイ 

10月になると私の大好きな白菜(ハクサイ)が出回る季節になってきます。「白菜」といえばイコール【鍋】を連想するのは私だけでしょうか(ちなみに私は鍋が大好きです。)。今回は色々な【鍋】のわき役にして欠かすことの出来ないこの白菜をとりあげてみます。

原産地は中国北部で、野生の植物からではなく、アブラナ科の野菜のタイサイ類とカブ類が自然交雑して、不結球性の白菜の原形ができたと推定されています。中国では11世紀ごろの『本草図経』に記録があり、現在最も栽培量の多い野菜です。日本でも大根、キャベツについで、栽培面積も生産量も多く、日本人の食生活に深くとけ込んでいることは誰もが認めるところではないでしょうか。この白菜、日本での歴史は以外な程浅く、初めて導入、試作されたのは1875年(明治8年)なのです。その後、日清戦争(1894〜95)、日露戦争(1904〜05)の時に出征兵士が中国から結球型の種子を持ち帰り、各地で栽培されて急速に普及したのです。

さて西洋のキャベツに対して、東洋を代表する葉菜である白菜は成分的にはやはりキャベツと似ています。水分が95〜96%ですが、色々な栄養素が微量ながらまんべんなく含まれています。ビタミンC やミネラルであるカルシウム、カリウム、マグネシウム他にアブラナ科(大根、かぶなど)の辛味成分であるイソチオシアネートなども含まれています。一般的には、塩(主成分は塩化ナトリウム)を多量に使う漬けものは血圧が上がるとされていますが、白菜漬けの場合には、白菜に含まれるカリウムがナトリウムを排泄して、塩分を過剰にとるリスクを軽減させます。イソチオシアネートは、がんや動脈硬化を予防するといわれています。

白菜をたくさん食べて、白菜の水に溶けやすい栄養素を効果的に摂取するためには鍋もの、肉や魚とのスープ煮などにしてスープ、汁ごと食べてしまうのがおすすめです。個人的な好みで言えば何度食べてもあきないのは、やはり【鍋】ではないでしょうか。 

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