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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

ヤマノイモ 

山の芋はヤマノイモ科、ヤマノイモ属のつる性の植物のうち、栽培作物として発達したものの総称で、世界に六百種類もあるのです。日本では、サツマイモ(ヒルガオ科)やジャガイモ(ナス科)が無かった時代には、いも=「山の芋」のことでした。山の芋、やまと芋、長芋、いちょう芋、自然薯(じねんじょ)、大薯(だいしょ)などさまざまな呼び名がある上ににいろいろな地方によってもさまざま呼び名があるため、かなり混乱します。例えば、関東で山の芋といえばいちょう芋のことであり、関西では、つくね芋のことをさします。日本で栽培または自生しているヤマノイモ属の野菜には、長芋、大薯、自然薯の三種類があります。旧・農林水産省の統計資料でもこの三種類を「山の芋」と呼んでいます。

長芋の仲間にもその形状から、長形種を長芋、扁平種をいちょう芋、塊状種をつくね芋と呼んでいます。この三形態がいわゆる長芋と呼ばれている基本タイプなのです。三形態のうち最も粘質物の少ないのが長芋で、その産地は青森、北海道、長野、秋田、山形、茨城、鳥取、宮城などで山の芋の栽培面積の63%を占めます。扁平種であるいちょう芋には銀杏のの葉にいちょう形、ばち形、棒状形と色々な形がありますが、一般的にはばち形が好まれています。いちょう芋の粘性は長芋とつくね芋の中間に位置しています。産地は埼玉、千葉、群馬、茨城、神奈川など関東地方に多く、長芋全体の26%を占めています。つくね芋の形態は前者二種とは異なり、球形をしています。黒い皮の加賀丸芋、丹波芋、白い皮の伊勢芋があり、いずれも粘性が高く濃厚な味です。長芋全体の11%を占めています。

大薯は南九州や四国で作られていますが、その生産量はそれほど多くはありません。品質は淡泊ですが粘性は非常に高いのが特徴です。

自然薯は長形で直径2〜3 cm、長さ30〜70 cmで頚部が細く、粘性もアクも強いのが特徴です。漢方では乾燥したものを「山薬(さんやく)」といい、古くから下痢止めや健胃薬、強壮剤として利用されています。

さて、この山の芋、主成分は糖質ですが、でんぷん分解酵素ジアスターゼが含まれるので消化がよく、芋と称せられるものの中で唯一、生で食べることのできる芋なのです。いちょう芋はたんぱく質が多く、自然薯は糖質が多めに含まれています。長芋は最も低エネルギーです。また、山の芋をすりおろすと粘り気がでますが、この粘り気の成分の一つはムチンと呼ばれる物質で胃の粘膜を保護するので、胃炎や胃潰瘍を防止します。山の芋は別名「山のうなぎ」とも呼ばれることがあり、精のつく食べ物として知られています。これは、ムチンがたんぱく質の代謝を無駄なくスムーズにさせるためと他の栄養素の消化吸収を良くし身体の回復力を高めるためです。さらに山の芋は食物繊維が豊富な上に100 g 中には約500〜600 mg のカリウムが含まれているため、大腸ガンや高血圧の予防にも効果があるとされています。このように、山の芋は精つく上にダイエット効果もありそうですし、なかなかの優れ物であると私は思っています。山の芋をすりおろしたものを「とろろ」といいますが、そのネバネバを嫌う人もいるかと思いますが、淡泊な味の「とろろ」は刺し身用マグロと合わせて山かけにしたりお蕎麦と合わせてとろろ蕎麦で食べたり、色々な食べ方ができるので、今まであまり好きでなかった人も健康食の一つとして見直してみるのも良いのではないでしょうか。

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