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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

ウメ

北海道では2月は真冬ですが本州では梅の花が咲きはじめ、もうすぐ春の訪れを感じさせる頃のはずです。ウメの学名は Prunus mume var. mune で原産地は中国の四川省から湖北省あたりとされています。日本には中国文化とともに薬木として渡来したとされており、奈良時代にはすでに栽培されていました。

ウメの果実は薬から食品まで幅広く利用されています。未熟なウメの果実にはアミグダリン amygdalin が含まれており、生食すると有毒でが、未熟なウメの果実を薪などの弱い火と煙で薫蒸した後乾燥させたものを『烏梅』と呼び、漢方薬として駆虫、咳、下痢、血便、血尿に用いられます。また、梅干や、青梅エキスには下痢を止め、腸の調子を整える作用もあります。 1日1回1個の梅干し、あるいは1日1回30ml ほどの梅酒は疲労回復、健康保持に有効であるといわれています。

ウメはカリウム、カルシウム、リン、などのミネラルに富み、カロチン、ビタミンCなども多く含まれます。特にクエン酸の含有量がレモンと並んで高く、エネルギー代謝をスムーズにし、疲労回復を早める働きがあります。またクエン酸の他にリンゴ酸もかなり含まれており、これらの有機酸が菌の繁殖を抑えるため食中毒を予防します。おべんとうのご飯に梅干しを1つ入れるとウメの抗菌作用で腐敗を防ぐ他、ウメの酸味が食欲を増進させます。私事で恐縮ですが、私の子供の頃よく食べていた日の丸弁当にはそんな意味があったのかと思うと、最近食べているシャケ弁当を昔ながらの日の丸弁当に戻してみようかと思ったりしてます。

野菜と果物のお話