ココロもカラダも元気になる!
元気の種って?  |  食と健康 |  元気が出る植物写真  |  堀田清の元気が出るお話

ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

ダイコン

大根はアブラナ科の越年草または1年草の根菜のことをいいます。大根の栽培は古代エジプトでも普及していたようです。ピラミッドの碑文にも、ピラミッド建設時、労働者にタマネギやニンニクといっしょに大根を食べさせていたとあります。

大根の栽培品種はハツカダイコン群、小ダイコン群、黒ダイコン群、北支ダイコン群、南支ダイコン群の5群に分けられます。日本のダイコンは南支ダイコン群の影響を受けているとされていますが、根の肥大性などで世界で類をみない程大分化をしています。

大根はおろしなどの生食、おでん、ふろふきなどの煮物、汁の実、漬物と非常に広範に使われており日本人の食卓には欠かせぬ野菜の一つです。春の七草の「すずしろ」は大根のことであることは皆さんもご存知のことでしょう。

大根をすりおろすと組織が分解され、酵素の働きによって辛味を生じます。この辛味成分は山葵のそれに似ていますが、その化学構造が微妙に異なるため、舌にピリピリくる独自の辛味となります。ところが最近、辛い大根が店頭から姿を消し、おろしても甘いものばかりになってしまいました。辛党の私としては少々残念です。その他成分上の特徴として、根部に消化酵素アミラーゼ(ジアスターゼ)とビタミンCが多量に含まれる他、葉にはカロチンがいっぱいです。根部を食する時はアミラーゼ(ジアスターゼ)とビタミンCが熱に弱いのでダイコンおろしなどの生食がよいのです。ちなみに、ダイコンおろしと納豆(よくかき混ぜた後)はとても良く合いますのでぜひ一度試してみて下さい。

また、大根は明代の李時珍が著した中国の代表的な本草書である『本草綱目』にも記載されており、それによると、消食(食べ物を消化し、全てを排泄させる)、通便、咳止めなどの効果があるとされています。 

野菜と果物のお話