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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

ネギ 

ネギはユリ科の多年草で原産地は不明とされていますが、どうやら中国西部あたりとされており3000年以上の歴史をもつ古い野菜の一つです。日本には8世紀に渡来し、耐暑、耐寒性があり適応性に優れているため江戸時代中期には重要な野菜として全国各地で栽培されていました。ちなみにヨーロッパには16世紀に、アメリカには19世紀伝わりましたが、すでにタマネギが広く普及していたためあまりポピュラーな野菜として認知されなかったようです。全国各地で栽培されているネギですが、その地方ごとに特徴ある品種が分化しています。耐寒性のある「加賀群」、耐暑性のある「九条群」、両者の中間に位置する「千住群」の三系統に分類されます。加賀、千住群は根元に土寄せして軟化栽培し、白根のみを食用とする「根深ネギ」で、九条群は暑さに強く、土寄せしないで育て、葉を食用にする「葉ネギ」です。

次にネギの栄養成分についてですが・・・。根深ネギと葉ネギとでは食用部分が異なるので、当然その成分値が異なりますが、皆さんはどちらの方が栄養的に優れていると思われますか?・・ 緑の葉にはカロチンやビタミンCが多く、カルシウムやカリウムなどのミネラル分も多く含まれているので、実は緑の葉の多い葉ネギの方が栄養的に優れているのです。ちなみに緑色の濃い葉ネギに含まれるカロチンの量はグリーンアスパラを上回っていますし、ビタミンCの量もアボガドを上回っていることはあまり知られていないことではないでしょうか。

さて栄養的に少し劣っている根深ネギですが、葉ネギには負けないくらい身体に良い成分を含んでいるのです。根深ネギ特有の刺激性の芳香のもとは硫化アリルという硫黄原子を含む低分子有機化合物のせいなのでが、この硫化アリルという化合物には殺菌作用や抗菌作用、身体を温める作用があるのでかぜの予防に非常に適しています。また血液をサラサラにする作用もあるので、血栓の予防効果も期待できます。さらにこの硫化アリルは消化液の分泌を促し、食欲を増進させ、肉や魚の生ぐささを消す作用もある他、体内でビタミンB1と結合してその吸収を良くするのでエネルギー代謝をスムーズにするので疲労回復にも役立ちます。まあ根深ネギ、葉ネギ両者とも健康に良いことは間違いなさそうですし、風邪の流行る今の季節にはもってこいの野菜のようです。ネギや白菜たっぷり入った【】は風邪の予防に効果がありそうです。実際に風邪の初期症状(鼻水がでる、ちょっと寒けがする)のある時には、ネギのみじん切り、生姜の絞り汁、大根おろしに熱湯をかけ、醤油か梅干しの梅肉で味付けして飲むと効果があります。もちろん飲んだあとはすぐに布団に入って眠ることもお忘れなく。

野菜と果物のお話