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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

野菜と果物のお話

アスパラガス

初夏のごく限られた時期に旬を感じさせてくれる「アスパラ」です。南ヨーロッパから西アジアにかけてがアスパラガスの原産地で、紀元前の古代ギリシャ・ローマ時代から栽培されており、疲労をいやしスタミナをつける野菜として知られてきました。日本へは江戸時代中期(1780 年)観賞用植物としてオランダ人によって長崎に伝えられました。食用としては明治時代にアメリカから移入したものが横浜、神戸などで栽培されましたが、本格的な栽培は 1923 年(大正 12 年)、北海道岩内町で始まり(ただし、当時はホワイトアスパラガス)、翌年には缶詰め工場も企業化されました。

食用にするのは若茎で、軟化栽培した白茎(ホワイトアスパラガス)と、そのまま成育させた青茎(グリーンアスパラガス)の二つの種類があります。ホワイトアスパラガスはもっぱら缶詰め用でしたが、最近では生のものも出荷されています。グリーンアスパラガスは、甘味と香りと、シャッキとした歯ざわりが特徴で生の時は苦味がありますが火を通すと消えます。

栄養的にはホワイトアスパラガスよりグリーンアスパラガスの方が優れています。ビタミンA, B1, B2, C がバランスよく含まれており、特にグリーンアスパラガスに含まれるカロチンの含量は多く、代表的な緑黄色野菜の一つです。またスタミナドリンクでおなじみの成分、アスパラギン(アミノ酸の一つ)が豊富に含まれており体内エネルギー代謝や窒素代謝を高めることによって体内にたまった乳酸などの疲労物質が取り除かれ、肩凝り解消や疲労回復に即効性を発揮します。ちなみにアミノ酸の一つであるアスパラギンは最初、この植物から発見されたのです。また、グリーンアスパラガスの穂先にはポリフェノールの一種、ルチンという物質が豊富に含まれていて、このルチンが毛細血管の弾力性を高め、血行をよくするため、血圧を下げる効果が期待されます。

アスパラガスは生のまま保存すると、急速に味が落ちるので、すぐに使い切ることをおすすめします。

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