第6回将来ビジョン講座 開催報告
令和8年2月10日、令和7年度第6回将来ビジョン講座が本学札幌サテライトキャンパスを配信会場にハイブリッド形式で開催されました。「日常業務からの臨床研究のすすめ方~コラボレーションに一歩踏み出すための後押し~」と題して、高崎健康福祉大学薬学部 薬剤疫学研究室 兼 臨床薬学教育センター 教授 岡田裕子先生にご講演いただきました。
岡田先生からは、はじめに「研究をはじめるにあたり重要なこと」について解説いただきました。臨床に係る実践的な能力とは、課題を発見し分析や解析を行う際に、「未知」か「既知」かを区別する能力が大切であり、そのためには医薬品情報を正しく収集し評価する力が必要であるとお話しいただきました。その後、医薬品情報の収集手順や情報ツールについて解説いただきました。収集した医薬品情報から、見出された臨床現場での課題が「未知」の場合は研究テーマに、「既知」の場合は業務改善に繋がり、いずれにおいても医療の発展や社会貢献に結び付くことから、日常業務では常に問題志向を持って薬剤師業務に従事することの大切さをあらためて感じました。
次に、研究計画の立案におけるポイントについて解説いただきました。臨床の場で見出された課題を研究する場合の多くは、倫理審査を受審することとなり、研究倫理審査項目は研究計画書の記載項目とほぼイコールであるため、研究計画を立てる際には、対象者、研究デザイン、調査・分析する項目、データ等の入手方法・収集方法、参照すべき倫理指針・研究の区分などについて、しっかりと計画することの大切さをお示しいただきました。
その後、学会発表や論文投稿のお話では、岡田先生の研究活動の中から具体例をお示しいただき、ご講演タイトルにも示されているコラボレーション(共同研究)の進め方について解説いただきました。特に、論文投稿については、岡田先生が学会誌の編集委員(査読者)のご経験から、①決められた項目を記載する、②客観的な視点で他の人にも見てもらってから投稿する、③査読者からのコメントには、真摯に誠実に対応するといった、論文執筆や査読者への対応のポイントをお示しいただきました。
本講座を聴講し、限られた人員や業務時間の中で臨床研究に取り組むことはハードルが高いと思いますが、医療の発展や社会貢献という観点から、問題志向を持って業務に従事することが大切なことであると強く感じました。また、受講された方からも、「倫理審査のポイントが簡潔に記されてわかりやすかった」、「研究の質・信頼性が向上する、あるいは自分の専門外の視点を取り入れられるといったコラボレーションの具体的メリットが示され、一歩踏み出す後押しとなると感じた」といった意見が寄せられました。