北海道医療大学

第7回将来ビジョン講座 開催報告

令和7年3月11日、令和6年度第7回将来ビジョン講座がWEB形式で開催されました。「国家試験に向けて実務実習で抑えておきたいポイント」と題して、北海道医療大学薬学部教授兼薬剤師支援センター長の小林道也先生にご講演いただきました。

はじめに、6年制カリキュラムに対応した薬剤師国家試験の概要について、解説していただきました。実務実習に関連する問題は、必須問題10問、実践問題の複合問題が65問、実践問題の実務単独の問題が20問と計95問が出題され、全体の27.5%を占めているということでした。必須問題とは、概ね1問1分間で解答できる問題を指しており、実践問題とは1問2分から3分間で解答できる問題を指します。必須問題は暗記のみでは解答することが難しい構成となっていますが、ポイントを抑えることが出来ていれば解答できる、CBTと同等あるいは、実務実習で体験したことを忘れなければ解ける内容となっているため、実務実習で体験出来ることをなるべく増やしてほしい、と小林先生は述べられました。

続いて、実践問題は8疾患がキーワードとなり、がん、高血圧、糖尿病、心疾患、脳血管障害、精神神経疾患、免疫アレルギー、感染症が該当します。8疾患の内、がん、精神神経疾患、感染症の出題数が比較的多く、小林先生が独自に調べられた結果では、意外にも偏りが認められたということです。問題の内容については、症例をベースにして経過から検査所見、処方内容が示されて、適切な薬剤を選択する問題や、抗がん剤の混注に関する問題、薬物動態の知識を確認する問題が出題されていることをご紹介いただきました。他にも、免疫・アレルギーに関連した問題や、感染症、精神疾患・心疾患の問題について、一つずつ説明を加えながら解説していただきました。全体的に、最新の治療薬に関する問題や、病態を理解出来て、実践的に臨床で起きうる問題に対応出来ることが確認される問題が、万遍なく織り交ぜられている印象でした。その他、特徴のある問題として、医薬品安全性情報報告書作成に関わる問題や、小児の坐薬投薬の方法、心電図を診ながら解答する問題や、配合変化を考える問題等をご紹介いただき、座学だけではなく、実務実習で実践することが、国家試験に向けて非常に重要な要素となっていることが理解できました。

視聴者からの質問では、単独の施設では全体的に国家試験に向けて必要な学習を提供することが難しいと感じており、小林先生にアドバイスしていただきたいというご質問が寄せられました。小林先生はグループを利用して広く紹介し合いながら様々な事を体験させてあげられるような環境作りが望ましいと考えられると述べられました。

ポートフォリオより、薬剤師として自己研鑽を積むことによって、実務実習生や後輩の育成だけではなく、医療貢献にも繋がることを再確認できたという意見や、国家試験の傾向から、検査値の理解や薬剤上何に注目して鑑査や服薬フォローをしたら良いか、具体的な指導ポイントが理解できたという意見が寄せられました。

薬剤師支援
センター

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