北海道医療大学

第6回将来ビジョン講座 開催報告

令和7年1月14日に令和6年度第6回将来ビジョン講座が開催されました。今回は「副作用マネジメントにおける薬学臨床推論」と題し、亀田総合病院薬剤部 北原加奈之先生にご講演いただきました。

講演の中では聴講者が回答できる設問が設けられ、双方向の形式が取られました。

臨床推論(Clinical reasoning)は、「患者に何が起きているかを考えて解決する」という思考プロセスを持つことであり、病態を把握することが重要であると述べられました。

具体的な症例を2例提示され、尿の出が悪い患者にフロセミド注を医師に勧めるかどうかについて設問が示されました。前立腺肥大が疑われる症例と心不全を疑う症例であり、フロセミドの作用機序と病態を交えて詳細に解説していただきました。

その後、病歴聴取のコツについて、OPQRST(O:Onset 発症様式、P:Provocative&Palliative factors増悪・寛解因子、Q:Quality性状、R:Region&Related symptoms、S:Severity 重症度、T:Time course 時間経過)という手法を紹介していただきました。頭痛を例に挙げ、ONSETの読み解き方を例示していただきました。 頭痛の特徴を押さえた上で、病歴を上手く聴くことにより、例えば偏頭痛と硝酸薬誘発頭痛を区別できることを教えていただきました。

まとめとして、薬剤師が臨床推論でできることの最も重要なことは「薬の副作用を他の類似する病態も含めて判断できる」ことではないかと述べられました。

最後に症例カンファレンスのススメをいただきました。他の職種が行うように薬剤師もカンファレンスを行うことで、情報共有やディスカッションをして、チームで意思決定を行うことが大切であると述べられました。

ポートフォリオより、臨床推論へのアプローチ方法がわかったという意見や、病歴聴取のコツが分かったという意見、臨床推論についてOPQRSTを活用したいという意見がありました。

薬剤師支援
センター

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