北海道医療大学

第1回将来ビジョン講座 開催報告

令和6年7月9日に令和6年度第1回将来ビジョン講座が開催されました。今回は「令和6年度調剤報酬改定とこれからの薬局・薬剤師が果たす役割」という演題で株式会社大森薬局代表取締役 大森嵩先生にご講演を賜りました。

令和6年度調剤報酬改定では、地域の医薬品供給拠点としての役割を発揮するための体制評価の見直しや質の高い在宅業務の推進、さらにかかりつけ機能を発揮して患者に最適な薬学的管理を行うための薬剤師業務の見直しがされました。大森先生には本講演でその見直しの背景や今後の薬剤師が果たすべき役割と方向性について解説していただきました。

はじめに第8次医療計画の概要について解説していただきました。人口構造の変化への対応や医療提供体制をめぐる課題、地域医療構想と本計画の今後のスケジュールについてお話しいただきました。つづいて第8次医療計画に基づき地域において職能を発揮する薬局薬剤師の目指すべき業務配分について解説していただきました。そこでは対物業務の割合を縮小して対人業務の充実化および効率化を図るイメージとなっていました。そのために薬剤師会からは薬局体制の周知をリスト作成やホームページの整備を通じて取り組みが行われているということを改めてお知らせいただきました。

さらにつづいて新興感染症等に対応できる薬局の評価の見直しや医療DXの推進、在宅業務に係る体制評価の見直しについて背景と現在の状況について詳しく解説していただきました。これまでの内容を踏まえて令和6年度調剤報酬改定のポイントとなっている在宅薬学総合体制加算や在宅移行初期管理料等の在宅業務に関連する調剤報酬に関する解説の他、調剤後のフォローアップ業務の推進に関連した調剤後薬剤管理指導料の新しい基準、多職種との連携の充実に関連した「服薬情報提供料2のハ、介護支援専門員との連携」によって算定が可能となった部分について詳しく解説していただきました。

最後には長期収載品の保険給付の在り方の見直しとセルフメディケーションの推進として令和6年10月1日に施行となる選定療養の現時点での状況として処方せんの様式変更や対象品目や負担に係る適応範囲について解説していただきました。大森先生はこの件については常に新しい情報が今後も発信されていくため、厚生労働省や日本薬剤師会のホームページ等によって最新の情報を常に確認していくようにしてほしいということを述べられました。

今年度の調剤報酬改定は新しい項目や取り組みが多く情報を整理することが容易ではありませんでしたが、大森先生のご講演は非常に分かりやすく改定の背景から現状と今後の目標について整理されており、ポイントを改めて整理することが出来ました。

ポートフォリオより、調剤報酬改定の内容は文書や資料のみでは理解しづらく説明がわかりやすかったという意見や、在宅患者への薬学的管理及び指導の評価の拡充におけるICTを用いた連携の推進は役に立ったという意見が寄せられました。

薬剤師支援
センター

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