北海道医療大学

第5回将来ビジョン講座 開催報告

令和5年12月12日に第5回将来ビジョン講座が開催されました。講師に社会医療法人恵和会 法人事務局次長・西岡病院薬局長 横山敏紀先生をお迎えして、「新型コロナウイルス感染症に中小病院薬剤師はいかに立ち向かったか~薬物療法のポイントとACPの実践~」という題目でご講演いただきました。

はじめに、新型コロナウイルス感染症の流行初期から現在に至るまで、臨床現場でどのような対応を行ってきたかについてお話しされました。当初は接触感染に注意が必要であったため、72時間まで各所アルコールを用いた清拭が必要であったということです。横山先生は、常に新型コロナウイルス感染症診療の手引き等から最新の情報を取り入れて、手引き上で飛沫およびエアロゾルによる感染対策が重視されて接触感染対策が緩和された時点で、速やかに現場の負担を軽減するために72時間ルールを終了したとお話しされました。ただし高リスクの環境では、引き続き接触感染対策も継続したということでした。

続いて、新型コロナウイルスの概略について改めて詳しく説明をした上で、重症化リスクについての先生の考え方について述べられました。さらに、治療薬の選択や各薬剤の特徴およびエビデンスについて解説され、副作用や費用対効果に関して述べられました。また、新型コロナウイルスの罹患後症状や、感染症流行時に向けて作成した事業継続計画(BCP)について、実際に横山先生の病院で運用した実例を交えながら、お話しされました。

その後は、タスクシフト/シェアのお話と人生計画を含めた治療およびケアに関する話し合い(ACP)についてお話しいただきました。認知症の患者さんにACPが実践された実例についてお話しいただき、地域に密着した非常に興味深い活動をされていることが印象的でした。

ポートフォリオより、ACPなど最期に何を望むか等在宅の患者さんに考えていきたい、といった意見や、人員不足や機器導入・増員困難といった負の連鎖から抜け出すために専門性と収益性から業務縮小・拡大を検討し正の連鎖に持っていく考え方が大変参考になった、という意見がありました。

薬剤師支援
センター

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