北海道医療大学

第4回将来ビジョン講座 開催報告

令和3年10月12日に第4回将来ビジョン講座が開催されました。講師に北海道立子ども総合医療・療育センターより飯田祥男先生をお迎えして、「小児医療と在宅医療」についてご講演いただきました。

冒頭で先生の自己紹介と御所属の病院の概要についてご紹介いただきました。その後、小児の病院に特徴的な施設であるPICU、NICU、GCUのそれぞれの意味や違いについて、新生児科の小児の症候群やDown症候群について、心臓血管外科・循環器科、神経内科、脳神経外科等それぞれの診療科で治療する病態について解説されました。

次に、医療的ケア児についてのお話がありました。医療的ケア児の定義から、大島分類をはじめとした児童福祉の行政上の措置が行われるための判定基準について述べられました。さらに医療的ケア児とその家族の生活実態について、居室の様子等実態を交えながら、地域包括ケアシステムは高齢者が注目されやすいが、医療ケア児にとっても非常に大切な支援構築の場となることを強調されていました。

続いて飯田先生が実際に病棟で行っている活動についてお話しいただきました。先生は以前から緩和ケアの領域にも精通されていることから、緩和ケアの観点からも小児医療についてアプローチされているとのことでした。また実際に治療に携わっている疾患の一つとしてヒルシュスプルング病から短腸症候群に対する輸液療法についてご説明いただきました。

終盤では、これからの小児医療の発展に向けて必要な事について述べられました。大学のカリキュラムにおいて子供に関する講義がない事を危惧されており、成育基本法の観点からも我々医療関係者の責務として、成育医療の充実を図っていく必要があると述べられました。

最後に、小児医療に携わっている薬剤師やその他多職種の医療者に向けて感謝の意を述べられ、小児薬物療法研究会やCHC(Child Home Care Network)等の団体についてご紹介いただき、講演を締め括りました。

参加者からのポートフォリオより、普段直に関わっていく事が少なく、知識を得る事が貴重な小児領域の講演で興味深かったとの意見や、実際に看護師等の多職種で小児患者にアプローチをしている現場のお話に非常に感銘を受けたとの意見が多数寄せられました。

~アンケートより~

  • 新生児の疾患についてはなかなか聞く機会も少ないが在宅は今後増えていくことが考えられる為、今後の対応を行う上での注意点が理解できた。
  • 小児医療について北海道立子ども総合医療・療育センターの特徴を元に医療的ケア児及び子どもの在宅医療を中心に説明されており、今まで接することのなかった小児医療現場の状況を理解できました。
  • 地域包括ケアシステムといえば高齢者だと思っていたが、医療的ケア児の支援体制を整備するよう推進していた。社会的に必要な活動であると認識した。

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