北海道医療大学

CAPEP WEBキックオフセミナー 開催報告

令和3年8月31日および9月21日の2回の日程にて、認定薬剤師認証研修機関協議会(CAPEP : Council on Accredited Pharmacists Education Providers)によるWEBキックオフセミナーが開催されました。二部構成となっており、第一部ではCAPEP代表の狭間研至先生、第二部では国際医療福祉大学の松本哲哉先生の講演が配信されました。

第一部として狭間研至先生より、「コロナ禍における薬剤師の役割」についての講演が配信されました。冒頭部分で狭間先生は、これまでの調剤薬局の在り方の変遷について述べられました。医薬分業が進んでいくと同時に処方せん調剤の需要が増えて、薬学の専門性は高まって来ていたものの、薬剤師の個性が発揮される場面は減ってきている現状があるとし、コロナ禍をチャンスと捉えて専門性と個性、どちらも活かされるような機会に挑戦していくこと、そのためにFollow、Assessment 、Feedbackの3つに重点を置いたFAFの考え方を持つことが肝要であるとお話しくださいました。特にAssessment には謎解きの要素があるとのことで、バイタルサインのチェックを薬剤師が行うこと等で、薬の効果や副作用について問題意識を持って患者をフォローして、情報を医師にフィードバックすることが高い専門性を持つ薬剤師の大きな役割となると述べられました。

第二部では松本哲哉先生の「新型コロナウイルス感染症の現状と対策」が配信されました。はじめに松本先生は、世界から見た新型コロナウイルス感染状況から、これまでの国内感染動向について述べられました。4回目の緊急事態宣言で効果が上がらなかったことや、飲食店における感染は減少しているものの、職場における感染が減っていないこと、ワクチン接種により高齢者の感染は減少しているが、20代から30代の感染が依然として多く、医療切迫の深刻な状況が今後も続いていく見通しであるとのことでした。つづいてワクチンの種類や精度について触れられました。接種についてのアンケートでは半数以上の人が接種を希望しているという結果の半面、半数近くの人が接種を希望していない、あるいは迷っている結果についてご説明いただき、そのような方々をどのようにして接種に向かわせていくかを考えることが肝要であるとのことでした。また、感染力の強い変異株に対抗するために、8割以上の接種を目指して集団免疫を形成していく必要があると述べられました。次に感染対策の実際について、新型コロナウイルスの主な感染経路は飛沫感染ですが、中でも日常的な会話や呼吸でもエアロゾルは発生しているとし、マスク着用やソーシャルディスタンスの確保がやはり重要であるとお話しくださいました。成田病院における感染対策の実際についてもご紹介いただき、さいごは変異株の感染力の強さや新たな変異株にも注意が必要である、とお話を締めくくられました。

アンケートより、新型コロナウイルスのパンデミックによって薬局を取り巻く状況の大きな変化を実感したという意見の他、新型コロナウイルスについて多くの新たな知識が得られたという意見が多数寄せられました。

~アンケートより~

  • コロナ禍における薬剤師の役割は大変わかりやすかった。医師の立場から、求める薬剤師の仕事について教えてくださり、参考になりました。
  • 今後私達薬剤師がどうあるべきかをお話しして下さったので、とても興味を持てました。また、現在のCOVID-19 の患者様を受け入れている医療機関の先生が現状をお話ししてくださったので、こちらもとても興味を持てました。
  • 自分は臨床の現場にいる身ではないので、特にコロナで使用されている薬、逆に効果が見られなかった薬について詳しく知ることが出来たのはありがたかったです。

薬剤師支援
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