第5回将来ビジョン講座 開催報告
令和2年8月25日にオンラインによる第5回将来ビジョン講座が開催されました。講師は本学リハビリテーション科学部 教授 本家寿洋先生です。
本家先生はまず、リハビリテーションの定義についてわかりやすくご説明くださり、理学療法士(PT)、言語聴覚士(OT)、作業療養士(ST)のそれぞれの分野と領域、専門性について述べられました。多職種連携において、薬剤師がPT、OT、STと関わりを持つ機会は、カンファレンスでの情報共有の場面など決して少なくありませんが、PT、OT、STそれぞれの専門性や領域をその場で理解する事は困難であったので、その違いを改めてご説明いただけて大変よく理解できました。
またリハビリテーションの専門家として、患者の立場をよく考えたメニューを考案して生活に深く関わっている事例についてお話しされました。具体的な事例として、脳卒中により突如日常生活を失った症例を挙げられました。動きにくくなってしまった身体の機能的な部分だけではなく、本人と家族が未来へ希望を持てるように、心理的な部分も支えていくというお話で、リハビリテーションが非常に意義深い役割を担っていることを示していただき、業務内容を具体的に理解することができました。
最後には、チーム医療に参画する職種いずれにも関係するお話として、コミュニケーションについて述べられました。中でも、思い込みなどから発生するコミュケーションエラーの話は興味深いもので、多数の人と関わる中において、短い時間で思い込みをなくして正確な情報をいかにして共有するかが大切であるとの話は深く納得できる部分でありました。
受講者の皆様よりお答えいただいたポートフォリオでは「理解できた」、「業務に役立てることが出来る」との意見がほとんどとなっており、中でも日頃業務の中で関わることがあっても業務内容を理解する機会は少ないため、PT、OT、STのそれぞれが担う業務内容に興味を持ったという意見が多く寄せられておりました。またオンラインによる開催は初めてとなりましたが、スムーズに講義が進行したことについて安心したとの意見もいただきました。
~アンケートより~
- 他職種連携が必須になっているなかでこのように専門の先生に講演して頂き今後の薬局活動で活かせられる内容でした。
- 医師とリハビリ看護師さんと勉強する分野が異なり精神と肉体(社会科学・心理学)の側面もあることに大変興味が湧きました。
- 服薬指導をする際に、単に心身の状態のみを評価するのではなく患者の環境、社会参加を考慮する必要があると思いました。