北海道医療大学

第9回将来ビジョン講座 開催報告

令和元年11月12日に、北海道医療大学札幌サテライトキャンパスにて第9回将来ビジョン講座が開催されました。今回は、医療法人社団洞仁会 洞爺温泉病院 薬剤課長 水谷一寿先生をお迎えして「人生100年時代を元気に暮らすNutrition Support~薬剤師よ!患者を元気にしたいなら栄養療法の力を手に入れよ!~」と題して、NST(Nutrition Support Team)の話題を中心に、チーム医療や栄養状態の評価とサルコペニア・フレイルの概要と見分け方等、多岐に渡りお話いただきました。

はじめにNSTの成り立ちの歴史から、医療が他職種連携によるチームで治療効果に大きな力を発揮するということを述べられました。その中で、信念対立という心理効果について述べられており、チーム内で対立に耐性を獲得していくためには、状況を考慮した目的意識を統一してから議論に入る事が肝要であると述べられておりました。続いて、栄養療法について述べられました。栄養は人生を豊かに過ごすための大切な基礎であり、介護需要の現況から見て、健康寿命をより長く保てるようにするためには、BMIを指標として見た場合に低栄養を避ける必要がある事について述べられました。その上で栄養状態を把握するためのスクリーニングの方法や、脱水と浮腫発見のための簡易的なフィジカルアセスメントの方法について解説していただけました。さらに、水谷先生がNSTの薬剤師のメンバーとして経験した話題から、重曹を利用して経管チューブの閉塞を回避した研究結果の報告や、薬学的観点から処方提案することにより栄養状態の改善に寄与した症例報告をされました。続けて、高齢者の栄養状態が関与して問題視されているサルコペニア・フレイルの話題について解説していただきました。簡易的なサルコペニア・フレイルの見分け方を解説していただいた上で、保険薬局においてもサルコペニア・フレイルを発見できるケースのロールプレイングを通じて、栄養療法を応用したケアが行えることをお話いただきました。また、必要に応じて地域包括ケアセンターと連携を取ることも肝要であることを述べられておりました。最後に、栄養療法の重要性について、参加した多くの方が認識した事を挙手により確認して、講演を締めくくられました。

~アンケートより~

  • 栄養のはじまりから基礎、症例まで幅広く学ぶことができました。
  • 服薬指導の際に役立てることのできる情報が多く今後の業務にいかしていきたい。
  • 薬局で低栄養状態の可能性を確かめることができると分かったので、できそうなことから行ってみようと思います。

薬剤師支援
センター

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