北海道医療大学

第1回医療安全対策講座 開催報告

令和元年6月15日、日本赤十字北海道看護大学看護薬理学領域/災害対策教育センターより根本昌宏教授をお迎えして第1回医療安全対策講座が開催されました。

根本先生は講演の前半で最近の知見を含めた災害の実状等について述べられ、後半は実技研修として段ボールベッドの組み立てとDoHUGと呼ばれる災害時の対応を参加者で体験するゲームを行いました。

前半は、まず岐阜薬科大学のモバイルファーマシーについてその機能を詳しく解説してくださいました。次いでこれまで日本全国で起こった地震後に内閣府が行なっている対策や指針の内容について述べられていました。さらに熊本地震や胆振東部地震の現場に実際に赴かれた際の避難所の様子や問題点についてもご報告いただくとともに、現時点での現状を交えて薬剤師に求められる役割について分かりやすく整理しながらお話いただきました。また、根本先生は自らイタリアの視察に赴かれたそうで、地震により倒壊してしまった薬局がまず初めに仮店舗として設置されたことからイタリアにおいて薬局は地元民にとってなくてはならない存在となっているというお話はこれからの日本における薬局機能を考えていく上で大切なことであると感じました。その他にも注意すべき患者さんやその病態、災害時に発生しやすい感染症やエコノミークラス症候群の統計データや対策法など短い時間の間に広く、簡潔に理解しやすく多くの事をお話いただきました。

後半は、ダンボールベッドを実際に組み立ててみて、その簡便さと強度に驚きました。DoHUGの実演では避難所運営の難しさを体感しました。薬剤師としてどのように被災者の背景を考慮してトリアージしていくのか、また快適で安全な衛生環境を確保していくためにはどのようにすればよいのかなど平時からシミュレーションと対策を行っておく必要があると実感しました。

アンケート結果より大変役に立ったとのご意見が多数を占めており、すぐに臨床での応用が可能であることから専門性を活かして、災害時の準備を進めるとともに人づくりを大切にしていきたいとの感想もいただきました。

~アンケートより~

  • ダンボールベッドの様々な有効性を知れたのがよかった。様々な災害系の研修を受けているが毎回異なる発見があり、勉強になります。
  • 根本先生の講演は昨年も参加し、楽しみにしていました。又、行ってほしいと思います。段ボールベッドの組み立て楽しかったです。DoHUGの時間たりなくて残念でした。
  • まずは家庭と職場、知人から防災について話し合って行きたいと思います。

薬剤師支援
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