第2回将来ビジョン講座 開催報告
平成30年6月12日北海道医療大学サテライトキャンパスにて、堀美智子先生による「今後の日本の医療とOTC薬の活用」と題されました、第2回将来ビジョン講座が開催されました。超高齢化社会を迎えた日本にとって薬剤師の立ち位置は厳しい立場に置かれているというお話から、その中でも国から求められているニーズは多く、調剤報酬改定は地域包括ケアシステム強化法から派生しているといった今年度の診療報酬改定に関する詳しいお話と実際の事例を交えながらどのようにして地域支援体制加算の必要要件を満たしていくのかを具体的に示していただきました。また抗生剤や向精神薬、ポリファーマシーのようにこれまでの状況をそのまま続けていてはいけないものについて、病院や診療所が求める部分と薬剤師が能動的にアプローチできる部分とを繋ぎ合せながらお話いただいた内容はこれからさらにファーマシューティカルケアを進めていくに当たって非常に参考となる内容でした。さらに処方箋に基づく調剤、薬剤管理指導を行う中でも一般用医薬品(OTC)を利用したケアが可能である事、具体的には入浴剤の工夫によるスキンケアやポリファーマシーを目的とした減薬後の症状悪化の際のOTCの活用など、OTCの活用で解決出来た事例の紹介は印象的でした。講演後の質問ではご紹介いただいた事例のように積極的な行動を行うに当たってどのようにしていけばよいかとの問いに対して、服薬指導の中で見つかる些細な問題を常に探求、追究する意識を持つ事が肝要であるということを述べられていました。薬剤師は行政や国からの評価を待ち、求められた事に対して行動するだけでなく、自らを見つめ、評価して自分達の環境をしっかり整えていく必要があるという貴重なお言葉を頂戴しながら盛況のうちに本講座は終了しました。
なお、受講者27名のうち、約80%が保険調剤薬局に勤める薬剤師でした。アンケートには期待以上の内容であったとのお言葉もいただいており、満足度の高い内容となりました。
~アンケートより~
- 目の前の業務を将来の日本の医療へと結び付けなければならないと感じた
- 減薬への取り組みについてお話を聞けて参考になりました!
- 期待以上に良いお話でした