北海道医療大学

第6回将来ビジョン講座 開催報告

平成 28 年10月19日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております「将来ビジョン講座 プロフェッショナルな薬剤師を目指して」が開催されました。病院薬剤師と薬局薬剤師が知っておきたいOTC薬をテーマに、一般社団法人 日本女性薬局経営者の会 会長の堀美智子先生をお迎えしてご講演を頂きました。

本講演は、健康サポート薬局、かかりつけ薬剤師について学び、OTC薬や食品への知識を深める研修内容でした。

行政における日本再興戦略や骨太方針では、地域包括ケアに対応できる「かかりつけ薬剤師・薬局」の育成が求められています。医療用医薬品だけに特化するのではなく、地域住民の健康をサポートすべく、OTC薬の活用を進めていくべきです。2017年1月から施行されるセルフメディケーション税制もあり、より一層のOTC薬推進が伺えます。

適切なOTC薬の活用に向けて、押さえておきたい注意点を学びました。イブプロフェンやプソイドエフェドリンには血圧上昇作用があり、高血圧患者など治療中の疾病に対するOTC薬の影響を考慮しなければいけません。リチウム製剤とNSAIDsの併用禁忌といった、医療用医薬品との相互作用にも注意が必要となります。また、無顆粒球症といった重大な副作用を有するメトトレキサートやチアマゾール服用患者に対して、感冒様症状だからといって安易に風邪薬を販売するのではなく、受診勧告も必要となります。OTC薬購入の目的が、服用中の医療用医薬品の副作用の可能性ということも考慮しなければいけません。

また、代謝酵素についての理解を深めると、より適切なOTC薬販売へと繋がると学びました。代謝酵素CYP2D6は20人に1人が遺伝子欠損、又は働きが弱いため、デキストロメトルファンなどCYP2D6で代謝を受ける医薬品を服用した際、人によっては具合が悪くなる場合があります。フルボキサミンとカフェインの併用では、代謝酵素の関係上、カフェイン濃度が上昇します。カフェイン含有商品は多数存在するため、注意が必要となります。

最近では、機能性表示食品への関心も高まっています。機能性表示食品には「薬剤師に相談してください」と記載があり、医薬品以外に食品にも目を向けていく必要があると感じました。

セルフメディケーション推進に向け、薬剤師の活躍がより一層期待されています。OTC薬関連情報について症例を踏まえて学ぶことが出来、今後の業務に役立つ内容でした。同時に、OTC薬についての勉強もしっかりとしていく必要があると感じました。

今回の参加者は35名でした。講演内容を臨床で応用することが出来ると感じた方が非常に多く、大変有意義な内容でした。

~アンケートより~

  • 普段、目を向けることの少ないOTCについて意識することができた。
  • OTC薬との相互作用について理解を深めることができた。
  • 臨床的な話が多く実践しやすい内容でした。
  • OTC薬をもっと勉強するべきだと思った。

薬剤師支援
センター

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