北海道医療大学

第1回薬剤師演習講座 開催報告

平成 28 年9月13日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております「薬剤師演習講座 トラブルを未然に回避するための技能~医療安全対策~」が開催されました。医療安全における薬剤師の役割をテーマに、NTT東日本札幌病院の佐々木弘好先生をお迎えしてご講演を頂きました。

本講演は、医療安全の必要性やヒューマンエラーのメカニズムを理解し、インシデント・アクシデントを防ぐための対策、医療安全への関わりを学ぶ研修でした。

医療安全とは、医療事故を起こさないための仕組みづくりをする事です。人は間違えることを前提に、個人の問題は重要ではなく、組織としてどのように向き合うのかが大切になります。そのために、事故を隠蔽しない組織文化を育てることが重要であると学びました。

ヒューマンエラーでは、記憶処理の観点からメカニズムを学びました。正しい制御処理を行おうとする時に、誤った自動処理が割り込む“ストループ現象”が起こることでヒューマンエラーが発生します。しかし、指差呼称をすることで約0.5秒行動が遅くなり、結果として制御処理が自動処理に追いつくことでエラー防止に繋がります。指差呼称はすぐにでも実践できる内容であり、日頃の業務に活用していきたいと感じました。

NTT東日本札幌病院におけるインシデント状況も紹介して頂きました。薬に関連した取り組みとして、転倒転落と睡眠薬の関わり、抗血栓薬の休薬への取り組み、不穏時患者への適正な薬物使用の取り組み、といった内容も紹介して頂きました。

人間である以上、エラーは誰にでも起こす可能性があります。しかし、その頻度を下げるべく、医療安全に積極的に取り組む必要があります。薬剤師には、他の医療者には見えていない景色があります。薬のプロフェッショナルとして、薬剤師の視点で何が間違えやすいのか示し、その間違えの重要度を量り、防止策を考え、医薬品の適正使用についての仕組みを構築する事が求められていると学びました。

今回の参加者は16名でした。アンケート回答者全員が役立つとお答えになり、大変参考になる内容でした。

~アンケートより~

  • 日頃、また今後もつきない問題であった。
  • 常に考えエラーを減らす必要の中で対策(対応)が形だけになり、エラーの元になることを教える必要性を感じた。
  • 指差し確認等は明日から実践できる等とても参考になりました。
  • 具体的な事例が多く理解しやすかったです。
  • ポイントをついてまとめてあるのでシンプルだけど中身が深い(濃い)と感じました。

薬剤師支援
センター

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