第4回将来ビジョン講座 開催報告
平成 27 年9月 2 日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております「将来ビジョン講座~プロフェッショナルな薬剤師を目指して~」の第4回が開催されました。フィジカルアセスメントの4回シリーズの2回目として「臨床判断とトリアージ① 症候からの鑑別」をテーマに、昭和大学薬学部教授 木内祐二先生をお迎えしてご講演をいただきました。
本講演は、患者から患者情報を収集し、患者の状態を把握・評価したのち、適切な対処法を提案・実践できる薬剤師の養成を目的とした参加型研修でした。患者情報の収集から疾患の推測までの考え方を演習形式で学びました。
頭痛や腹痛などの症候を訴える疾患を列挙し、疾患ごとにどのような自覚症状があるのかグループごとに考えてまとめる作業をしました。疾患がわかっていれば症候は思い浮かぶものの、症候から疾患を推測するのは非常に難しく感じました。
従来の薬学教育や卒後教育では疾患ごとに学ぶため、症候から疾患を推測する「逆引き」の学習があまり行われていませんでした。そのため、薬剤師が患者の訴えに対して適切なトリアージを行うことにハードルを感じていた方も多くいたと思います。しかし、在宅医療への介入やセルフメディケーション支援など、薬剤師の地域医療での活躍が求められる今日においては、症候学といった臨床判断能力も必要となってきます。自覚症状の情報をLQQTSFA別に整理し、疾患を推測し、OTC薬の販売、受診勧奨など妥当なトリアージを行う能力をつけるべく、トレーニングをする必要があると感じました。
今回の参加者は31名で、悪天候のため札幌市内の参加者が大多数となりましたが、参加者全員に役立つ講演であったと実感いたしました。次回の将来ビジョン講座ではフィジカルアセスメントの4回シリーズの3回目として「臨床判断とトリアージ② 薬局でのトリアージ」をテーマに、昭和大学薬学部教授 木内祐二先生と講師 亀井大輔先生をお招きしてご講義していただく予定です。
~アンケートより~
- 疾患を症状から考えたことがなかったので、役に立った。
- 薬から病気も大切だが、患者と話していて、出てくる訴え(症状)からの話のヒントになった。
- 実践形式で頭の整理になった
- 普段から意識して話すことで患者のためになる話のスキルになると考える。