第4回臨床薬学講座 開催報告
平成28年3月8日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております「臨床薬学講座 糖尿病患者への栄養管理と薬物治療」の第4回が開催されました。糖尿病治療薬のトピックスをテーマに、本学薬学部教授の小林道也先生をお迎えしてご講演をいただきました。
本講演は、糖尿病治療薬に使用する薬を医薬品情報の観点から学ぶ研修でした。新薬である持続性選択的DPP-4阻害薬である”オマリグリプチン”を例に審査報告書を読み解いていきました。また、SGLT2阻害薬である”イプラグリフロジンL-プロリン”の審査報告書や、高リン血症治療薬である”スクロオキシ水酸化鉄”のRMP(リスク管理計画)についても確認しました。
審査報告書とは、新薬を申請した製薬企業の説明を、PMDAの専門官がどのような評価をしたのか記載されている議事録です。有効性に関する検討事項や安全性に関する懸念事項の意見なども参照できるため、新薬を取扱う際などに役立てることが出来ます。RMPには、重要な特定されたリスク・潜在的リスク・不足情報が根拠と共に記載されており、リスク最小化活動を把握することができるため、リスクの低減活動に役立てることが出来ます。
これらの情報はPMDAホームページからダウンロードすることができ、他の医薬品情報から得ることのできない有益な情報が記載されています。薬剤師が十分に理解し、医師ならびに他の医療スタッフと連携を取ることで、医薬品情報を適正に活用することができます。多くの薬剤師に審査報告書とRMPを知っていただき、是非現場で利活用していただきたいと感じました。
今回の参加者は28名でした。アンケート回答者全員が、臨床で応用することができるとお答えになり、大変有意義なご講演であったことが伺えました。
以上を持ちまして、本年度の薬剤師支援センターの事業が終了致しました。ご講演をしていただいた先生、ご参加の皆様ありがとうございました。次年度も宜しくお願い致します。
~アンケートより~
- 添付文書しか見ていなかったため、より詳しく知るルーツが知れた事は今後の勉強に大変役に立つと思いました。また、添付文書にこのような書き方をしているのかがわかりました。
- 詳しいわかり易い説明で大変参考になりました。
- PMDAの活用法がさらにわかった。