北海道医療大学

第2回臨床薬学講座 開催報告

平成 28 年2月 9 日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております臨床講座「糖尿病患者への栄養管理と薬物療法」の第2回が開催されました。萬田記念病院薬局長の中野玲子先生をお迎えして「糖尿病の薬物療法を理解しよう」という演題でご講演をいただきました。

まず糖尿病の現状として、糖尿病患者の血糖コントロールの現状、HbA1cとBMIの推移について報告がありました。それを理解してうえで、糖尿病で気をつけなければならない合併症として糖尿病腎症、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病足病変、脳梗塞・心筋梗塞、歯周病といった合併症について解説がありました。このように命にかかわる合併症にならないためにどうすればよいかということで、食事療法、運動療法、薬物療法があり、この3つのどれが欠けても治療がうまくいかないということがよく理解できました。

そして本題の薬物療法に話題が入っていきました。経口薬として、スルホニル尿素(SU)薬、ビグアナイド(BG)薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、速効性インスリン分泌促進薬、チアゾリジン薬等の解説に加え、近年汎用されるようになったDPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬の個々の薬剤の特性について詳しく説明がありました。次に注射薬について、インスリン療法で用いる薬剤の種類やデバイスとその特徴について、患者さんに合ったデバイスの選び方のポイントなど、分かりやすい解説がありました。最後に実際インスリン注射を使用していて起こりやすいトラブルとその回避方法について説明があり、たいへん参考になりました。

今回のセミナーでは糖尿病の薬物療法に関わる薬すべてについて触れられており、その特徴や実際の使い方についての説明があったことで、糖尿病についての多くの知識が得られ、実際の服薬指導上でも役立つ非常に有意義な講演内容でした。

~アンケートより~

  • 基本的な話から最新の情報まで知ることができた。
  • 糖尿病の概要と薬について、全体的に学べたから。
  • 新しいデバイスの情報は非常に参考になった。
  • 脱水、乳酸アシドーシスの対応について具体的で実践的で大変勉強になった。
  • 患者へ薬剤の説明をする際、ほかの薬剤の違いを一緒にわかりやすい言葉で説明出来ると思えたため薬(内服、インスリン製剤)の使い分けのイメージがついた。

薬剤師支援
センター

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