北海道医療大学

第1回臨床薬学講座 開催報告

10月11日(金)18:30から北海道医療大学薬剤師支援センターの薬剤師研修講座として「臨床薬学講座:新薬採用時に評価すべき医薬品情報」の第1回を札幌サテライトキャンパスで開催しました。今回は、杏林大学医学部付属病院薬剤部 若林進先生に「医薬品情報の活用におけるDI室の役割」をテーマにご講演いただきました。

杏林大学付属病院は1153床と全国的にも最もベッド数の多い病院の一つであり、そのような病院に採用されている医薬品に関する情報を、DI担当薬剤師はどのように扱っているのか非常に興味深い内容でした。お話しは大きく4つのテーマ、すなわち「医薬品情報の提供と評価」、「薬事委員会(PMS、RMP)」、「医療情報システムと電子カルテ」、「情報教育と情報連携」について、具体的な事例を挙げながらご説明いただきました。

「医薬品情報の提供と評価」については、製薬企業から販売中止や緊急安全性情報等の連絡が入ってからどのような情報を収集し、医療スタッフにどのような情報を伝達していくのかを時系列で説明していただけました。その中で、IT技術の普及により院内メールやホームページの利用をするとともに、紙媒体での迅速な伝達を合わせた「ハイブリッド型の医薬品情報提供」が効果的であることを強調されていました。

「薬事委員会(PMS、RMP)」については、新薬採用の流れの中でのDI室の働きはもとより、市販後調査や平成25年からスタートしたRMP(リスクマネジメントプラン)に薬剤師はこれまで以上に関わっていくことが重要であることを力説されていました。

「医療情報システムと電子カルテ」については、若林先生ご自身が医療情報技師として認定されているとのお話から、院内におけるIT技術の活用への関わりや自動分包機による医療ミスを回避するための薬品マスター設定に関わるDI室の役割についての説明がありました。

「情報教育と情報連携」では、6年制薬学教育における病院実習においてどのような実習を行っているのかを詳しく説明していただきました。中でも、実習生が初めてDI室に配属になった時にプレアンケート内容と、DI実習終了時のポストアンケートの比較を提示していただき、いかに学生たちが臨場感あふれる現場で満足のいく実習を受けられたのかがよく分かるものでした。

若林先生は300枚以上のスライドを用意していただき、90分のレクチャーではありますがあっという間に過ぎてしまうほど楽しく、また日常業務に非常に参考となる内容でした。

~アンケートより~

  • 現在の職場でなかなか経験できない話を聞けた。
  • PMSの必要性、副作用検索の無料Web等の情報が入手できて役に立った。
  • DI室の役割はもっと狭く考えていた。期待以上の話だった。
  • 具体例が多く分りやすい。
  • MRなので薬剤師の先生方のニーズがわかってよかったです。

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センター

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