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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

漢方のお話

豊かな人生を送るために・・・

 最近の日本人を見てますと、あまりに不規則な生活リズム(夜更かしや運動不足など)で、安易な食べ物を食し、病気になると安易に薬に頼って、その結果、本来の免疫能力がどんどん低下している人が増え続けているように感じられるのは筆者だけでしょうか・・・? 最近の医療制度の改正によって、病気にかかるとお金がかかるようになってなってきました。月並みな事ですが、一番の "Saving Money "はやはり病気にならないことでしょうか・・・。ということで、私たちがふだん食べている食材や、今、非常に流行っているスパイスやハーブの人体に対する効果(ガンや老化の予防度)の指標(おおまかな位置づけ)について、筆者の思うところをお話しさせていただきます。

 右の図はアメリカで1990年から行われた植物性食品によるガン予防を目的とした「デザイナーフーズ・プログラム」と呼ばれる研究において、ガン抑制効果が確認された食品リストの一部です。A, B, C の順にピラミッドの上部にある食品ほど予防効果が高いとされています。Aのグループにはニンニク(ガーリック)、キャベツ、カンゾウ(甘草)、大豆、ショウガ(生姜)、にんじん、セロリなどが、Bのグループには緑茶、ターメリック、玄米、全粒小麦、亜麻、みかん、レモン、グレープフルーツ、トマト、なす、ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなどが、Cのグループにはマスクメロン、バジル、タラゴン、ハッカ、キュウリ、タイム、あさつき、ローズマリー、セージ、じゃがいも、ベリー類などが含まれています。ここで注目したいことは、ふだん(毎日)私たちが食べている野菜や穀類の多くが、今とても流行っているハーブや香辛料よりも相当上位にランクされているということです。香辛料の中でニンニク、カンゾウ、生姜は相当上位にランクされていますが、いくらランクが上でもこれら3つだけを毎日おかずにして3食を食べるわけにいきません。また野菜に限っていえば野菜の中に含まれる発ガン抑制物質は、生のままより調理した方が野菜の細胞中に含まれる成分が溶け出して効果が高くなることも分かっています。これは、人間には植物の細胞膜の構成成分であるセルロースを分解する酵素がないということを考慮すると当然のことですね。いずれにしても、毎日なにげなく食べている物の中に、健康を維持するためのアイテムがたくさんあることは明らかです。とかく日本人は何か健康に良いと言われると、それだけを集中して食べたり飲んだりしてしまう傾向があるように思います。発ガン抑制効果のあるb-カロテンも、錠剤などで大量に摂取し過ぎると、逆にガンの促進に働く場合もあることがわかっています。食品の場合も、特定の食品のとりすぎは望ましくなく、やはり色々な食品をバランスよく食べなければいけません。

 最後に、繰り返しになってしまいますが、健康的で心豊かな生活を送るための基本は何と言っても、正しい食生活です。最近は、ファーストフードやコンビニ弁当など安易な食事で済ませ、それを補おうと栄養補助食品を大量に摂取しているような人が増えていますが、食生活をおろそかにしていて、どうして明るく前向きに人生をエンジョイすることが出来るのでしょうか。昔ながらの食材に含まれる栄養成分を正しく理解し、七味唐辛子のようなスパイスを上手に使って、毎日美味しい料理を作って食べていれば、病気などは逃げていくでしょう。昔の日本人は科学的な根拠など無くても経験的に体に良い食べ物を知っていました。私たちも、もう一度原点に帰って食生活を見直してみる必要があるのではないでしょうか。