植物エネルギーと漢方
第5回 『閉蔵』

さて、漢方での病気予防は自然と調和するということでした。春夏秋冬それぞれの季節に合わせて、基本的な考え方、生活リズムを作るということです。第5回目は冬の過ごし方です。
巻頭に示した図に書かれているように、冬は『閉蔵(へいぞう)』と称し、万物が戸を閉ざして、陽気を潜伏させることを意味します。河水は結氷し、地面は凍結する。色々な思い、考えを身体の中に潜伏させ、できるだけそれを行動に起こさない。春の『発陳』まで、「気」を熟成させるのです。巻頭の写真は大亀の木(オオカメノキ)の冬芽なんですが・・・・この状態で11月から4月の上旬までじっと待ってます。春が来るのを・・・・。ごく一般的な生活の基本パターンは以下の通りです。
@必ず早く寝、朝は必ず遅くまで床にある。
A日を昇ってから起きるというように、寒気から身を護ることにつとめる。
B意思は潜み隠すように、またあたかも人には言えない秘密をいだいているように、とにかくそっとしておかなければならない。
C潜伏している陽気がにわかに奪われたりしないために、汗をかいて肌膚が開かないようにしなければならない。
これが冬気に対する適用法であり、その蔵気を保養する道であると説いています。

下の写真はオオカメノキの冬芽を10, 1, 3月の3回にわたって撮影したものですが、いかがですか?ずーっと同じ姿で春が来るのを待ってるんです。よーっく見ると、ウサギさんみたいに見えませんか?

しかして、私の場合は真冬でもカンジキ(スノーシュー)を履いて、北方系生態観察園内を散策してしまいます(笑)。早くも寝ません。朝5時にはキッチリ目覚めてしまうので・・・・真冬でも朝6時にはオフィスにはいちゃったりします。漢方の教えに背いているのかもしれません。ただ、私の場合は漢方医学的には超(スーパー)実証なので、これでも良いかなんて思ってます。
下の写真はホオノキの熟した実が地面に落下したのを見つけて撮った写真です。ちょうど、大きな葉っぱの上に乗っかってますね(笑)。右側の写真は極寒期の冬芽なんですが・・・

今日、北方系生態観察園内を一回りしてきました。雪の解けた斜面にアキタブキの花芽(フキノトウのことです)が出てました。毎年この時期なんです。あと半月もすれば、森は動き始めます。もうすぐです。

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