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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

山菜のお話

ヨモギ

「ヨモギ」は知らない人がいないほど知られた野草ですが、果たして山菜の仲間にいれて良いものやら・・・という感じもしないではないです。「ヨモギ」はキク科の多年草で、北海道で普通にみられるのは「エゾヨモギ(オオヨモギ)」と呼ばれるもので、その他に海岸近くでは真っ白い毛で覆われた「シロヨモギ」、高い山では、低い山では「オトコヨモギ」や「イヌヨモギ」など二十種くらいはあります。日の良く当たる所ならどこでも生える逞しい野草ですが、最近は悪名高く繁殖力の強い同じキク科の「セイタカアワダチソウ」に縄張りを侵略され、勢力争いに押され気味のようです。ヨモギの若葉は5月の節句の草餅に、煎じてせき止めや虫下しに、怪我をした時にはもんで傷口に当てて血を止め、さらにはモグサにしていぶして蚊遺に使ったり、かなり広く使われていました。アイヌ語ではヨモギをノヤ(noya)といい、各種の病気の薬として用いたり、ヨモギの強い香りは病魔を追い払う力があると信じられ、呪術的にも使われていたようです。ちなみにノヤ(noya)とは「もみ草」の意味でノヤノヤ(noya noya =もみのもむ)が語源であると言われています。一般にヨモギは茎が伸びてくると雑草としてあまり利用価値(食用として)がないように思われがちですが、伸びたものでも柔らかい葉は天ぷらに、柔らかい茎はキンピラにして食べると美味しいものです。

日本では、ヨモギといえば一般的には野生のものをさしますが、ヨーロッパでは洋酒のアブサンやベルモットの味付け用にニガヨモギが使われますし、フランス料理のカタツムリのたれにはヨモギの一種のドラゴン草が欠かせません。日本でもモグサはオオヨモギ、駆虫剤用にはミブヨモギ(駆虫薬、サントニンが含まれる)が栽培されています。

草餅に使われるエゾヨモギ(オオヨモギ)の葉には精油、シネオール(ヨモギの独特の香りの元)、a-ツヨン、パラフィン、ボルネーオール、その他ビタミンA、B、C、Dなども豊富に含まれています。

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