本学歯学部小児歯科学分野の高橋宏夢大学院生が、2026年5月20日〜4月21日に開催されました第64回日本小児歯科学会大会において若手の会優秀賞を受賞しました。
演題名:低ビタミンK飼料飼育マウス歯胚におけるClaudinの発現変化およびエナメル質形成に及ぼす影響
演者:高橋 宏夢
発表概要
Molar Incisor Hypomineralization(MIH)は、第一大臼歯や切歯に限局して発症するエナメル質形成不全であり、本邦の7〜9歳の約19 %に報告されている。MIHの原因は不明であるものの、ビタミン(V)Kの関与が示唆されている。そこで本研究は、ラット歯原性上皮細胞株(SF2細胞)および低VK飼料を用いたモデルマウスにおいて、VKがClaudin(Cldn)発現を制御することでエナメル質形成に及ぼすという仮説を検証することを目的とした。
In vitroでは、SF2細胞にVKを添加しアリザリンレッド染色にて石灰化を評価し、5 %ギ酸にて定量した。また、通法にてReal-time qPCR(RT-qPCR)を実施してCldnsの発現変化を解析した。その結果、SF2細胞において、VK受容体の存在が明らかになった。VK添加によりCldnおよびエナメルマトリックスの発現変化を認め、石灰化を誘導したことから、VKがエナメル芽細胞の分化誘導に関与する可能性が示唆された。
In vivoでは、低VK飼料を与えた仔マウスを使用し、下顎切歯を摘出し、CASMATH、SEMとEDXによるエナメル質表層の分析を行った。その結果、低VK飼料を与えることにより、エナメル質表層の塑像面および変色が確認された。低VK飼料群ではCa:Pの比率が変化したことから、VKがエナメル質の石灰化に影響する可能性が示唆された。
本研究において、VKはエナメル質形成に重要なビタミンであり、VKはCldnの発現に関与している可能性が考えられた。



