2023年1月27日 (金)、薬学部FD講演会が開催されました。
北海道大学名誉教授の松島俊也先生を講師にお招きし、「社会的選好性の発達−ネオニコチノイドによる障害を中心として−」と題して、環境物質による自閉症スペクトラム障害発生のリスク上昇をヒヨコのモデルによって追及した研究をご講演いただきました。
ヒトの新生児とヒヨコは共に、生物的運動(biological motion, BM)を備えた光点動画へ視線を向ける性質があり、これはBM選好性として知られています。松島先生は、ネオニコチノイド系殺虫剤を含むアセチルコリン受容体の伝達阻害剤が、ヒヨコのBM選好性を損なうという研究結果についてご説明されました。さらに、ヒヨコのBM選好性低下がヒトの自閉症のモデルになり得ること、および環境物質と自閉症発症との関連についてお話いただきました。
当日はオンラインのみでの開催となりましたが、本学大学院薬学研究科学生6名、薬学部学生9名、教員職42名の総勢57名が参加し、講演テーマに対する関心の強さをうかがわせました。