本学歯学部組織再建口腔外科学分野の佐藤良樹助教が、2025年11月14日〜11月16日に開催されました第70回日本口腔外科学会・学術大会において優秀ポスター賞を受賞されました。本賞は日本口腔外科学会学術奨励賞等選考委員会が、本学会にエントリーされた演題の抄録から合計約50演題の「ノミネート演題」として採択され、学術大会において優秀ポスター発表賞評価委員がポスター発表を評価し、特に優秀だった約20演題に授与されたものです。
演題名:ラット皮膚線維芽細胞由来骨芽細胞様細胞を用いたスキャホールド支援型骨再生
演者:佐藤良樹、若林侑利那、志茂剛
発表概要
本研究では、骨再生医療における細胞供給の課題と移植手技の複雑性を同時に解決することを目的とした。研究のポイントは大きく2点である。第一に、入手性が高い皮膚線維芽細胞に対しダイレクトリプログラミング法を適用し、採取が困難で増殖能の低い骨芽細胞の代替として利用可能な骨芽細胞様細胞を作製することで、骨形成細胞の安定的な供給体制の確立に成功した。第二に、作製した骨芽細胞を細胞足場材料へ組み込み、三次元培養系として構築することで、大規模骨欠損モデルにおける細胞移植時の細胞漏出を防ぎながら、手技の簡便化と移植効率の向上を実現した。本成果は、患者負担の少ない細胞源と移植適応性の高い三次元細胞構造体を統合することで、将来的な臨床応用に向けた実用性の高い骨再生技術の基盤となる可能性を示した。

〈優秀ポスター賞を受賞した佐藤助教〉

〈佐藤助教と志茂教授(組織再建口腔外科学分野)〉

〈佐藤助教と永易教授(顎顔面口腔外科学分野)〉