2025年10月24~26日に愛媛大学で開催された第76回日本電気泳動学会学術集会において、本学部の大学院生2名が優秀演題賞を受賞いたしました。本学会には、医師、臨床検査技師、生命科学研究者などが多数参加していました。
- 秋田谷悦志(修士課程2年)
演題名: 酸化ApoE-HDLがアストロサイトの細胞内脂質・酸化ストレス代謝に及ぼす影響
コメント:本研究の目的は、脳内の脂質代謝の中心的役割を担う「ApoE-HDL」が酸化されることによって引き起こされる、細胞内の代謝変化を解明することです。近年、認知症患者の増加が社会問題となっており、特にアルツハイマー型認知症の発症には、脳内の脂質・酸化ストレス代謝異常が関係していると考えられています。脳内の代謝を明らかにすることで、認知症の予防や新規治療法の開発に貢献したいと考えています。
- 中村優月(修士課程1年)
受賞演題:不飽和脂肪酸種とApoA1/E-HDLによるアストロサイトの脂肪滴形成
コメント 本研究では、認知症との関わりが注目されている「脳内の脂質代謝」に着目し、不飽和脂肪酸の種類やApoA1/E-HDLがアストロサイト内の脂肪滴形成に及ぼす影響を検討しました。アストロサイトは、脳内で生じた有害な脂質を「脂肪滴」という形で蓄え、無毒化する働きを持つ細胞であり、脳内の脂質代謝の中心的役割を担っています。アストロサイトとApoA1/E-HDLの詳細な代謝連携を明らかにすることで、認知症発症予防への新たなアプローチへの可能性を広げることが期待されます。
