2025年9月27日(土)に北海道赤十字血液センターで開催された第59回日本臨床検査医学会北海道支部総会において、本学部の大学院生2名が優秀演題賞を受賞いたしました。本学会には、臨床検査医や臨床検査技師をはじめ、臨床検査学の研究者が多数参加していました。
- 古高裕導(博士課程1年、写真左)
受賞演題:エゾウコギはデキストラン硫酸ナトリウム誘発急性大腸炎モデルマウスの予防に効果がある
コメント:本研究では、北海道に自生する機能性植物エゾウコギ(Acanthopanax senticosus Harms)の大腸炎予防効果について検討しました。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患は指定難病に登録されており、患者数は全国的に増加傾向にあります。エゾウコギが持つ大腸炎発症の予防効果により、大腸炎の疾患リスクを低減させ、治療選択の幅を広げることが可能となります。
- 中村優月(修士課程1年、写真右)※2年連続受賞
受賞演題:アストロサイトにおける脂肪滴サイズの画像解析
コメント:本研究は、脳内の脂質代謝の中心的役割を担う「ApoE-HDL」と、“油の貯蔵庫”として細胞を過剰な脂質から保護する「脂肪滴」の働きを解明することです。近年、認知症患者の増加が社会問題となっており、特にアルツハイマー型認知症の発症には、脳内の脂質代謝異常が関係していると考えられています。私は、このApoE-HDLと脂肪滴の関係を明らかにすることで、認知症の予防や新たな治療法の開発といった予防医療の発展に貢献したいと考えています。