2009(H21)年度
生体力学

「講義」  歯学部 第1学年後期  1単位(30時間)   必修


担当者    教授 小野正利

<全体目的>
  1. 力学の応用としての生体力学の研究対象を知る。
  2. 力学の基礎概念に基づいて,生体や生物をどのように記述するかを学ぶ。
  3. 歯のような複雑な構造体に対する外力の影響を,基本的な形を持つ構造体への外力の影響から理解する。

<教科書>

 「生体力学」  (小野正利)
   http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~onomasat/   講義担当者(小野正利)のURL

<参考書>
*「バイオメカニクス」嘉数 侑昇・横井 浩史 他 監訳,株式会社 エヌ・ティー・エス
*「材料力学と材料試験」 村田憲治著 共立出版
*「要説 歯科材料学」 大野 他訳 医歯薬出版
*「講座・レオロジー」 日本レオロジー学会編 高分子刊行会
*「バイオメカニクス」 林 紘三郎著 コロナ社(2000)
*「材料試験」 川田雄一,松浦祐次,水野正夫,宮川松男共編 共立出版
*「基礎演習 物理学」加藤正昭著 サイエンス社
*「生体力学」日本機械学会編 オーム社(1991)
*「バイオメカニクス概説」日本機会学会編 オーム社(1993)
*「生体機械工学」日本機会学会編 日本機会学会(1997)
*「材料力学の基礎」柴田俊忍・大谷隆一・駒井謙治郎・井上達雄 共著 培風館(1991)

<授業内容>
項目 授業内容・目標 担当者
 1  ◎ はじめに


◎ 力(1)


No-1  pdf
Ex-1  pdf
● 授業ガイダンス,授業の目的と目標
● バイオメカニクスの歴史の概略を知りバイオメカニクスの研究対象について考える
● 材料に作用する力の取り扱いに慣れる
(1) 静力学と動力学,  (2) 単位系と単位の換算
小野正利
◎ 力(2)

No-2  pdf
Ex-2  pdf
● 材料の回転やねじれを起こすトルクや,曲げをを起こすモーメントの取り扱いに慣れる
(1) モーメントとトルク
小野正利
◎ 静力学(1)

No-3  pdf
Ex-3  pdf
平衡状態にある系の取り扱いに慣れる
(1) 平衡の条件,  (2) 単純支持構造,

(3) 牽引装置,  (4) 作り付けの構造,
(5) 摩擦を含む系,  (6) 重心
小野正利
◎ 静力学(2)

No-4  pdf
Ex-4  pdf
生体への静力学の応用を知る
(1) 肘関節の力学, (2) 肩関節の力学,
(3) 脊柱の力学
小野正利
◎ 材料の変形(1)

No-5  pdf
Ex-5  pdf
材料に働く力と応力の種類,それに伴う材料の変形とひずみについて学ぶ
(1) 荷重と伸び,  (2) 応力とひずみ,

(3) 弾性定数
小野正利
◎ 材料の変形(2)

No-6  pdf
Ex-6   pdf
Ex
-6(Ans) pdf
● 材料に働く力や温度変化に伴う材料の変形とひずみについて学ぶ
(1) 弾性と塑性, (2) 熱応力,
(3) ひずみエネルギー,  (4) 弾性余効
(5) ヒステレシスループ
小野正利
◎ 材料の変形(3)

No-7  pdf
Ex-7  pdf


中間試験 pdf


● 材料の力学的性質の試験方法を知る
(1)材料の機械的性質,  (2)材料試験


● 1回〜6回の講義内容を範囲とする試験
  試験時間は60分を予定

小野正利
◎ 材料の変形(4)

No-8  pdf
Ex-8  pdf
● 材料の多軸変形について知る。また,はりに働く力が任意方向である場合の考え方を学ぶ
(1) ポアソン比,     (2) 2軸と3軸の応力,
(3) 主応力,     (4) モールの応力円
小野正利
◎ 材料の変形(5)
 
No-9  pdf
Ex-9  pdf
● 材料の力学的な安全利用の限界を知る
(1) 破壊,   (2) 許容応力
(3) 安全率,  (4) 材料の強度,
(5) 急速荷重と衝撃荷重,  (6) 材料の疲れ
(7) 応力集中
小野正利
10 ◎ 材料の変形(6)

No-10  pdf
Ex-10  pdf
● 構造体の基盤であるはりの種類,荷重の種類を学び,荷重に伴って発生する反力,曲げモーメント,せん断力を学ぶ
(1) はりの種類, (2) 荷重,  (3) 反力
(4) せん断力,(5)曲げモーメント

小野正利
11 ◎ 材料の変形(7)

No-11  pdf
Ex-11  pdf
荷重の種類に応じてはりの任意箇所に発生する曲げモーメント,及びせん断力の作図方法を学ぶ
(1) せん断力図,    (2) 曲げモーメント図,
(3)せん断力図と曲げモーメント図の関係
小野正利
12 ◎ 材料の変形(8)

No-12 pdf
Ex-12 pdf
はりに発生する最大曲げモーメントとその位置に発生する抵抗モーメントから,はりの最適な断面形状について学ぶ
(1) 曲げ応力と抵抗モーメント, (2) 断面二次モーメント,
(3) 断面係数,     (4) 危険断面,
(5) はりの断面寸法の決め方,
(6) 曲げモーメントとせん断力の関係
小野正利
13
◎ 材料の変形(9)

No-12-13 pdf
No-13 pdf
 
はりのたわみ量,平等強さ,不静定ばりについて学ぶ
(1) はりのたわみ,  (2) 平等強さのはり,
(3) 不静定ばり,   (4) 残留応力
小野正利
14
◎ 材料の変形(10)

No-14 pdf
 
● はりの軸方向の荷重に伴う破壊を理解する。また軸回りのねじりについて学ぶ
(1) ねじり,   (2)
座屈
小野正利
15 ◎ 材料の変形と流動

No-15 pdf
 
● 材料の変形と流動(粘弾性)について学ぶ
(1) フック弾性体,  (2) ニュートン流体,
(3) ビンガム弾性体, (4) 非フック弾性体,
(5) 非ニュートン流体,  (6) 粘弾性のモデル
小野正利
追補 1 ◎ 生体組織の力学的性質(1)

sup-1 pdf
 
● 生体組織の力学的性質を知る(1)
(1)生体軟組織の力学的性質
(2)機能的適応と再構築
小野正利
追補2 ◎ 生体組織の力学的性質(2)

sup-2 pdf
● 生体組織の力学的性質を知る(2)
(1)骨(と歯)の力学的性質
(2)腱と靱帯の生体力学
(3)骨格筋の生体力学
(4)関節軟骨の生体力学
小野正利
◎ 定期試験 pdf


● 定期試験問題

   定期試験解答例   doc  pdf
小野正利


<到達目標>
 ☆ バイオメカニクスの歴史の概略と研究対象について説明できる。
 ☆ 生体の各部分への力の掛かり方を静力学に基づいて説明できる。
 ☆ 材料に働く力と応力の種類,それに伴う材料の変形とひずみについて説明できる。
 ☆ 材料に働く力や温度変化に伴う材料の変形とひずみについて説明できる。
 ☆ 材料の力学的性質の試験方法を説明できる。
 ☆ 材料の多軸変形について説明できる。
 ☆ 材料の力学的な安全利用の限界を説明できる。
 ☆ はりの軸方向の荷重に伴う破壊を説明できる。
 ☆ 軸回りのねじりについて説明できる。
 ☆ 荷重の種類に応じてはりの任意箇所に発生する曲げモーメント,及びせん断力の作図ができる。
 ☆ はりに発生する最大曲げモーメントからはりの最適な断面形状を推測できる。
 ☆ はりのたわみ量,平均強さ,不静定ばりについて説明ができる。
 ☆ 生体硬組織の力学的性質を説明できる。
 ☆ 生体軟組織の力学的性質を説明できる。



 <評価方法>
  ◇ 「基本的な概念が理解できていること。また,それを使って具体的な問題を正しく解けること。」
    を期末試験(及び中間試験)により評価。(70 %)  
  ◇ 宿題提出,出席状況。(30 %) 
 


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