4期生卒業生の奥野優輝さんの卒業研究で実施した論文が、作業療法の実践と科学3巻4号に掲載されました。論文のタイトルは「重度認知症高齢者に楽しさを考慮した余暇活動の効果に関する探索的事例研究」です。この研究は,重度認知症高齢者1名に対して、好きな余暇を実施するよりも、詳細な楽しさを取り入れて好きな余暇活動を実施した方が認知機能は改善するということを、準実験的方法によって明らかにしました。この結果より、重度の認知症の方でも、詳細な楽しさを意図的に余暇活動に導入することで、認知症の中核症状である認知機能を改善する可能性を見出しました。今後は、指導教員の本家教授が現在開発中の重度認知症高齢者に対する余暇活動の楽しさプログラムを実施して、認知機能だけではなく、様々な効果を検証していく予定です。
論文:
奥野優輝,本家寿洋,牛田亜未:重度認知症高齢者に楽しさを考慮した余暇活動の効果に関する探索的事例研究.作業療法の実践と科学3(4):81-89,2021.