北海道医療大学

第3回認定・専門薬剤師養成講座 開催報告

平成 27 年10月 20 日19時から北海道医療大学薬剤師支援センターが主催しております「認定・専門薬剤師養成講座~薬のエキスパートになるために~」の第3回が開催されました。「精神科領域における薬剤師の役割」をテーマに、札幌佐藤病院の石動郁子先生をお迎えして精神科薬物療法専門薬剤師の立場からご講演をいただきました。

まず、精神科で取り扱う疾患とその疫学から始まり、抗精神病薬の種類、作用機序、至的用量という観点からクロルプロマジン換算値(CP換算値)という考え方があることが説明されました。CP換算値を用いることで多種類の抗精神病薬が処方されていても、抗精神病薬の用量として大量投与になっていないかを簡単に把握できることが示されました。次に精神科薬剤師の業務内容について、薬物療法の処方支援、処方の最適化に寄与すること、その把握方法として患者が薬に対しての考え方を評価するDAI-10(Drug Attitude Inventory)という方法があることも説明されました。精神科においてもチーム医療は重要で、薬剤師だけでは患者情報の収集は困難な場合でも、多職種の情報を集約することでより良い薬剤管理指導ができることが話されました。精神科でも多剤併用の問題点が多い中、抗精神病薬の減量法としてSCAP法(Safety Correction of Antipsychotics Poly-pharmacy and hi-dose)という方法があることが説明されました。そんな中でも外来での統合失調症の患者に抗精神病薬を継続服薬してもらう必要があり、その点においても薬剤師が関与することの重要性が述べられました。

ご講演の中で、精神科薬物療法認定薬剤師・専門薬剤師の認定要件についても詳しく説明がされました。石動先生から資格取得には高いハードルはあるが、チャレンジして欲しいと参加者にエールが送られました。北海道内でも精神科薬物療法認定薬剤師・専門薬剤師を取得している人はまだまだ少数ですが、今回の参加者の中からも認定薬剤師を目指してくれる人が出ることが期待されます。

~アンケートより~

  • 精神科の処方箋を受けているので、役に立った。
  • 大変面白く楽しい講座だった。
  • 臨床で、アプローチできるようにしたい。

薬剤師支援
センター

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