北海道医療大学

第1回 臨床薬学・地域医療講座 開催報告

12月5日(金)18:30から北海道医療大学薬剤師支援センターの薬剤師研修講座として「臨床薬学講座・地域医療講座:慢性腎臓病(CKD)患者へのファーマシューティカルケア」の第1回を札幌サテライトキャンパスで開催しました。本講座は、日本腎臓病薬物療法学会における「腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師の単位基準として認める研修会」として3単位の認定を取得して実施しました。今回は中部ろうさい病院薬剤部長の長谷川功先生をお迎えして、「中部ろうさい病院における腎臓病患者への薬学的アプローチ」についてご講演をいただきました。

中部ろうさい病院は愛知県名古屋市にある病床数621床の病院であり、薬剤部には腎臓病薬物療法専門薬剤師1名、同 認定薬剤師2名が在籍しています。ご講演では、まずはじめに新しい国民病とも呼ばれているCKDについて、日本腎臓学会にてまとめられたCKDガイドライン2012を用いて概説されました。その中で、CKDと高血圧の悪循環から心血管病(CVD)への進展を抑制することが重要であり、各種高血圧治療薬の適正使用を進めていくためには薬剤師による様々なファーマシューティカルケアの実践が肝要であるとのことでした。

中盤では、名古屋名物の味噌カツやひつまぶしのスライドが紹介されて参加者もリフレッシュし、後半では10症例以上のケースレポートを用いて、具体的な薬剤師によるアプローチについてご説明されました。腎障害のある患者さんに対して、薬剤師は薬物の体内動態を考慮しながら投与量設計(過量が予想されるときは減量を医師に上申するなど)を行うことが重要です。また、腎排泄型から肝消失型薬物への変更の提案や、腎障害をさらに悪化させる副作用を有する薬剤の処方回避、医療チーム内での薬剤師による情報提供など、様々な形で薬剤師はCKD患者さんの治療に参画できるというお話は、参加者にとっても非常に有意義なものであったと思われました。

今回の参加者は45名とこれまでの講座の中でも非常に多く、長期実務実習を終えたばかりの本学薬学部学生も数多く参加していました。次回以降は、今回の基調講演を踏まえた各論を、本学薬学部小林教授が3回に分けて講義する予定です。

~アンケートより~

  • 実臨床の例が多く出て来たのが良かった。
  • 普段できていない事をひとつずつ行っていくことにより、応用することにつながると考える。
  • 例を参考にして、監査システムの充実と更新に取り組みたい。
  • 普通の業務で必要な事ではあるが、意識して行えていない事も多かった。知識を増やす時や、普段の業務での考え方、方向性の役に立った。

薬剤師支援
センター

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