第3回薬剤師演習講座 開催報告
11月21日(金)18:30から北海道医療大学薬剤師支援センターの薬剤師研修講座として「薬剤師演習講座:抗菌薬適正使用のポイント」の第3回を札幌サテライトキャンパスで開催しました。「抗菌薬の適正使用と抗菌薬使用量の評価法」をテーマに岐阜大学医学部附属病院薬剤部丹羽 隆先生が担当しました。
まず始めに、「岐阜大学病院における取り組み」として、薬剤師がどの様に初期投与設計の推進に関わっているか、介入とフィードバックに基づいた抗菌薬の監視などについて具体的に紹介されました。次に、抗菌薬のサーベイランスについて分かり易く説明され、それぞれの特徴などを解説されました。その中で、現在最も汎用されているDDD(Defined daily dose)法について長所や短所なども含めて詳しい説明があり、複数の抗菌薬でDDD規定量が通常投与量と異なるなどいくつかの問題点があることを指摘されました。そこで、近年欧米で注目されているDOT(Days of therapy)法についての紹介がありました。このDOT法はCDCが推奨している方法であり、DDD法よりも直観的で分かり易く、小児に利用できるなどの利点がありますが、種々の問題点もあります。今回、岐阜大学病院で集計したDDD法とDOT法を比較検討した結果を紹介されました。抗菌薬の適正使用を推進するためには、使用した量のみで評価するのではなく、その質(個々の症例の薬剤選択、1日用量、投与日数を最適化する)を向上させることが必要であり、今後はDDD法とDOT法を比較しながら適正使用を論じることが重要であることが述べられました。
今回の内容は、今後抗菌薬の適正使用を考える上で大変参考になる内容でした。
~アンケートより~
- 普段必要と感じているが、業務として行っていない内容を聞け、参考になった。
- 自施設での抗菌薬評価に悩んでいたため。
- DDD法、DOT法、DDD/DOT法を組み合わせた使用量の比較について、抗菌薬の適正使用には重要なことだと感じた。
- 抗菌薬の具体例が多く分りやすかった。