第3回臨床薬学講座 開催報告
平成25年度の臨床薬学講座「新薬採用時に評価すべき医薬品情報」(3回シリーズ)の第3回は、11月22日(金) 18:30から、第2回に続き本学薬学部の小林道也教授を講師に「同種同効薬との比較をする」と題して行われました。
今回は、病院における新薬採用時に最も行われることが多い同種同効薬の比較について、実際の市販薬の具体的な事例を用いながら、薬理機序や体内動態、有効性の観点から解説されました。
講義では、同種同効薬の比較のポイントとなる有効性、安全性、利便性(服用の容易性、汎用性、規制)、薬物動態(臓器障害患者の投与設計、薬物相互作用)、情報量について、実際の市販薬のインタビューフォームや添付文書からの情報を比較しながらポイントを概説しました。特に有効性や安全性の比較については、同じ作用機序の薬であっても、様々な条件(投与量、血中濃度推移、臓器移行性、代謝物の相互作用など)が複雑に絡み合うため、治験や臨床試験における情報だけで単純に評価、比較することは困難であることが強調され、実際の新薬採用にあたっては、各種情報の何にポイントをおいて評価し、いかに差別化を図っていくか、ということが求められるとされました。
今回の内容は、新薬採用時の同種同効薬の比較のすすめ方についてわかりやすく解説され、臨床での実践にすぐに役立つたいへん有益なものでした。
~アンケートより~
- 添付文書やIFではわからないような情報を得られた。
- 実際の現場で、薬について聞かれた時の資料(情報)となる。
- 同種同効薬の比較が記載されており、利用していきたいと思いました。
- 関連分野ではないが面白かった。