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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

鍋は究極の薬膳だ!

魚介類のお話

キチジ(喜知次)

北海道、東北地方ではキンキン、茨城ではアカジ、東京ではキンキと呼ばれています。白身魚ではありますが、DHA、EPAを比較的多く含みます。タウリンに富み、心臓を強化するとともに、心不全、血栓症、動脈硬化を予防する効果があります。

シャケ(鮭)

良質のたんぱく質と各種ビタミン類(ナイアシン, ビタミンB,B)が多く含まれます。他の白身魚に比べてDHA、EPAなどの不飽和脂肪酸も豊富です。ビタミンBは過酸化脂質の発生を抑えて(活性酸素を除去する)血管の老化を防ぐので動脈硬化の予防にも役立ちます。シャケの身の赤い色素成分はアスタキサンチンと呼ばれ、発ガン過程で活発に働くリン脂質の合成を抑制する効果があるとされています。

タラ(鱈)

代表的な白身魚。たんぱく質を16%も含むのに対して脂肪は0.4%と極端に少ないです。タラは身ばかりでなくその肝臓も美味で鍋に入れるとまろやかな味になります。このタラの肝臓にはビタミンA,Dが大量に含まれる他、血中コレステロールを下げ、交感神経を抑制して高血圧を改善し、心臓の機能を良くするタウリンや肝臓の解毒機能を助けるグルタチオンも含まれます。

カキ(牡蠣)

牛乳に匹敵するミネラルをバランス良く含んだ栄養満点の食材です。ビタミンA, ビタミンB,B, 葉酸などの重要なビタミン群を多く含みます。 鉄それも吸収率の高いヘム鉄の含有量が高くカキの身を8粒食べるだけで一日の必要量の半分が摂取できるます。ヘム鉄は赤血球のヘモグロビン、筋肉のミオグロビンなどの構成成分で酸素を細胞に運ぶ働きがあるので、鉄欠乏性貧血を予防、改善する効果があります。タウリンも多く含むので血管系の疾病の予防効果があります。その他にも生体にとって重要な微量金属である亜鉛, 銅などもかなり含まれています。このように非常に重要な成分が含まれているので「海のミルク」とも呼ばれているのです。カキのシーズンは秋から始まるのでまさに鍋料理には最適な食材です。
またカキの殻は牡蠣(ボレイ)と呼ばれ、胃酸過多や不眠などに効く生薬として古くから利用されてきました。

エビ(海老)

高たんぱく、低脂肪の食材です。20%前後を占める良質のたんぱく質にはリジン、トリプトファンなど、穀類に不足しているアミノ酸が多く含まれています。海産物に多く含まれているタウリンがやはり多く含まれています。殻にはカルシウムが豊富で殻ごと食べることのできるエビはカルシウムの供給源になります。エビの殻の成分はキチン質と呼ばれる食物繊維の一つです。キチン質は腸管内の塩化物イオンを吸着して体外に排出させるため、高血圧の予防効果があります。その他キチン質には免疫力を高める作用があるので癌予防効果があると言われています。エビの赤い色はシャケの色素成分と同じアスタキサンチンですからガン予防にも効果があります。

カニ(蟹)

多くの種類があるが、栄養価はどのカニをとってもさほど変わらず、低脂肪、低コレステロール食品です。カニ特有のうまみはグルタミン酸や遊離アミノ酸などの成分によります。タウリン、キチン質を含みます。

アサリ(浅蜊)

縄文時代から活躍した元気の出る食材の一つです。カキと同じようにヘム鉄が豊富ですから貧血に予防効果があります。ビタミン群の中ではビタミンB12が多く含まれますからやはり貧血の予防になります。魚介類に共通に含まれているタウリンも豊富ですし、ミネラル分としてはマグネシウムが多いのが特徴です。マグネシウムには血管壁へのカルシウムの付着を防ぐ効果があるので血栓や動脈硬化の予防に効果があります。

「鍋は究極の薬膳だ!」

鍋の材料のお話