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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

日本のスパイスと『七味唐辛子』のお話

七味唐辛子の中身のお話

柚子

「柚子」の学名はCitrus junos といいミカン科を基原とする植物の果実です。中国原産で比較的寒さに強い品種なので日本では東北以南で広く栽培されている常緑小高木です。徳島(阿波)のスダチ(酢橘)、九州のキズ(木酢)、高知(土佐)の餅柚などは全てユズの雑種とみられています。酸味と香りが日本料理に珍重されていて、皮は薄く切り取って汁物の吸口とし、千切りにして焼き物や煮物にのせ、あるいはおろし金でおろして、みそに加えてユズみそにしたりします。果汁はダイダイ、スダチなどと同様、刺し身のつけじょうゆに加えて料理を楽しむこともしばしばです。もちろん、冬の寒い季節に欠かせぬ鍋料理(特にちり鍋)などのつけ汁に使うとこれまた鍋料理の価値が2倍は上がるのではないかと思える程美味しくいただけることになります。その他に果肉をくりぬいて中に酢の物や和え物を詰めて食べる柚釜やユベシなども逸品です。以前にもお話したように、日本人にとって「香辛料」とか「スパイス」という言葉はあまりしっくりきません。『薬味』、この言葉こそが日本人にとって一番自然に受け入れることのできる名ではないでしょうか。西洋人にとっての「スパイス」、「香辛料」と日本人の使う『薬味』とでは意味合いが全く違うのです。機会があれば詳しくその相違点についてお話しますが、「スパイス」、「香辛料」と『薬味』の決定的な違いは「ドライ(乾燥)」しているか『生』であるかの差です。例えば「ジンジャー」に対しては『生姜』、「ガーリック」に対して『ニンニク』など・・・。いずれにしても西洋人と日本人の食文化のルーツを理解すると簡単に説明することができますが、この事についてはとても長くなってしまいますのでいずれ機会があれば・・・・。これまでお話してきましたように「柚子」は日本人の食生活に欠かせぬものですが、その他にも冬場のヒビやアカギレをいやすとか、風邪を予防したりするために柚子をお風呂に入れて「ユズ湯」に利用します。この「ユズ湯」などは今流行りのアロマセラピーと類似した使い方と言えましょう。

「柚子」に含まれる成分は次の通りです。皮に含まれる良い香りのもとはイモールやペリルアルデヒドなどのモノテルペン類、またほろ苦味のもとはこれまたヘスペリジンというビタミンP(フラボノイド)の一種で健康にとても良い物質です。その他すっぱさのもとはクエン酸や酒石酸と呼ばれる有機酸の一種でこれまた健康にはとても良いのです。その他、柚子100 g 中には40 mg ものビタミンCが含まれていて(レモンに匹敵します)疲労回復にはもってこいです。

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七味唐辛子の中身のお話