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ブログ「堀田清の元気が出るお話」

すずしろの花



北海道医療大学 薬用植物園・北方系生態観察園

日本のスパイスと『七味唐辛子』のお話

七味唐辛子の中身のお話

生姜

ハーブを使うのが下手といわれている日本人が、幅広く使いこなしている香辛野菜はおそら山葵と生姜が東西の横綱と言えるでしょう。

 ショウガ科のショウガZingiber officinale Roscoeは熱帯アジア原産の多年草でその根茎を薬用、食用に使います。『神農本草経』に中品(ちゅうぼん)として収録されおり、古くから薬として重用されてきました。

 生姜は中国で孔子の時代(紀元前500年頃)にはすでに常食されてていたという記録があり、日本には3世紀頃に伝えられたといわれています。日本の気候、風土に適した生姜の栽培は、10世紀のはじめにはすでに京都などで大規模に栽培されていたようで、当時は食用とするよりは、薬で使っていたようです。

 干した生姜は鎮痛、鎮咳、解熱作用が強く、その効果は生のそれより数倍も高いため、現在も漢方では風邪薬に生姜がよく配合されています。また風邪の民間療法として、熱湯に生姜と砂糖を加えた生姜湯や生姜酒などがよく利用されています。風邪の初期にはキンカンの果汁をを盃1〜2杯湯飲みに絞り、おろし生姜を加え、熱湯を注いで数分後に飲んで寝ると効果があるとされています。

 一方、体を温める生姜を使った料理として『名飯部類』には味噌粥が紹介されています。土鍋の縁に味噌を焼き付け、洗い飯をその鍋で煮て、味噌を溶かして作り、最後にみじん葱とおろし生姜を入れて食べます。これなどは風邪をひいて熱がある時にでも食欲がわいてきそうですし、体力の弱った体にとてもよさそうです。いずれにしても生姜は夏には食欲増進に、冬には解熱、鎮痛に、美味しくて体に良い辛味として、日本人の食卓に欠かせない香辛料の一つです。  

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七味唐辛子の中身のお話