当別町ゆとりっちセミナー2002(平成14)年7月11日

 

4. 食品機能には2つの面がある

  一般に,食品の機能性を追求する研究においては,

  よい面のみを調べて,悪影響があることは気が付かない場合が多い.

 時と場合により,よい面と悪い面があることに注意が必要.

 

 例:グレープフルーツと降圧剤との相互作用,

  セントジョーンズワート(抗うつ作用を示すハーブ)の作用

 1)グレープフルーツはかんきつ類として世界中で摂取されている.

  含まれるビタミンや食物繊維,苦味成分によるがん予防効果など

  体によい食品の代表ともいえる.

  しかし,高血圧の治療に服用するある種の降圧剤とグレープフルーツ

  ジュースを同時に摂取すると,薬の効き目が強くなりすぎ,血圧が低く

  なりすぎる.

 

 2)セントジョーンズワートはセイヨウオトギリソウとよばれるキク科の

  植物で,西欧では,抗うつ作用があることからハーブとして高価な抗う

  つ剤の代用にされ,健康食品の代表格になっている.

  しかし,これを継続して飲み続けているときに,他の病気で処方された

  ある薬を飲むと,薬の効き目が減弱され効果がなくなる可能性があるこ

  とが判明した.

 

5.まとめ

  食品はわれわれが一生摂取し続けるものであり,長寿になればなるほど

 摂取する回数や量も増加する.

 従って

 1)食品の選択

 2)摂取する方法(調理,産地,混入物等)による影響

 3)摂取の仕方(繰り返し摂取,薬と一緒に摂取,特定のもののみを

   偏って摂取)

 などの因子の積み重ねが健康状態を大きく左右することになる.

 

 言い換えれば自分の健康は自分で守るということであり,

 他人任せにした結果として,薬でも治りにくい病気になっても

 困るのは本人ということになってしまう.

 健康を維持し,病気を予防するためには,出来る限り体によいとされる

 情報を入手しかつ,その情報の中身を吟味して総合的に判断して役立て

 ていくことが重要である.

 

  究極の結論

健康はその人の知識と絶え間ざる努力に依存する!

 

6.参考資料

  出来るだけ正確な健康情報を入手するための資料

  厚生労働省のホームページ: http://www.mhlw.go.jp/

  農林水産省のホームページ: http://www.maff.go.jp/

  食糧庁のホームページ  : http://www.syokuryo.maff.go.jp/

  おまけ

  和田研究室のホームページ: 

             http://www.hoku-iryo-u.ac.jp/~wadakg/

 

7.特別付録:クイズ形式 食品のあっと驚く意外な事実! (全10問)

   10問〜7問正解者:食品関係の専門家レベルで講演できる

   6〜4問正解者:食品関係の専門家の卵

   3〜1問正解者:食品関係に興味のある一般の人

   全て間違った人:勉強しましょう!

 

   どうもご静聴ありがとうございました!


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