当別町ゆとりっちセミナー2002(平成14)年7月11日

 

3-6 保健機能食品制度

 厚生労働省は,平成13年度より保健機能食品制度を施行した.これにより保健機能を有する食

品が明確に一般食品と区別され,健康維持のための食品の選択の指標となった.

 

保健機能食品の種類

 1)特定保健用食品

   個別許可型:身体の生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含ん

        だ食品であって,健康の維持増進および特定の保健の用途

        に資するもの

 2)栄養機能食品

  規格基準型:高齢化,食生活の乱れ等により,通常の食生活を行うこと

        が困難な場合等に不足しがちな栄養成分の補給・補完に資

        するもの

 

  それぞれ独自の表示を認めることにより,保健機能食品を他の食品と区別

  することができるようにするもの

  注意! 

  いわゆる健康食品は,これらの範疇には入らず,

      一般食品として扱われる!

 

3-7 科学的根拠に基づく栄養学 (Evidence Based Nutrition: EBN)

 食品の機能性についてを論じるとき,その根拠が明確であるかどうかが

 重要である

 

 例:ある食品のがん予防効果に関する報告

   ○○という食品は△という成分が含まれており,これらをよく食べる

 民族はがんが少ないことで有名である.

  ○○を食べることでがんが予防できる.など

 

  健康に関する雑誌や単行本,マスコミ情報などは今や洪水といって過言

 ではないほどにあふれている.

 それらの情報の根拠は明確なものなのかどうかを確かめずに,いいなり

 になってしまうことは本当の意味で,健康維持につながらない.

 

情報の正確さを見極める目を養うこと

健康維持に必要である

 

 例:当教室で発見した銀杏食中毒の教訓

  間違っていた常識1) 銀杏食中毒は含まれる青酸配糖体による中毒で

             ある.

    正しくは,含まれるアンチビタミンB6(ビタミンB6拮抗作用)

         による.(構造式板書)

  間違っていた常識2) 銀杏には豊富なビタミンB6が含まれている.

    分析法が間違っており,毒性のあるアンチビタミンB6をビタミンと

    して測定していた.

    銀杏食中毒の説明(食中毒の概要東京都衛研のHP)

 教訓:食品機能の解析や評価には多方面の専門家が関与して,

   メリット(よい点),デメリット(悪い点)の両面から総合的に判断

   する必要がある.

 


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