当別町ゆとりっちセミナー

2002(平成14)年7月11日

 

1. はじめに

 高度経済成長も終息し,日本の社会的基盤が新たな展開を迎えようとしている昨今,健康に

ついても多様な問題点が浮き彫りになってきました

少子高齢化に伴い生活習慣病が占める割合が大きくなり健康に関する関心が

非常に高くなっています.

食生活は健康に直結する重要な因子であることは誰もが認識しているところですが,食品(食事)

と健康との関係については情報過多で,その質を吟味せずに情報に左右される傾向が見受

けられます.何が問題であり,何を解決することでよりよい発展があるのかを栄養学と健康という

観点から考察し,正しい情報を発信していくことが食品に関与する研究者の責務であると実感

しています.

 今回は情報に惑わされないための食と健康の新常識と題し,現代における食生

活の問題点を実例を紹介しながら解説いたします.

 

2. 食べ物って何だろう? (基礎)

2-1 食事の意義

  私たちは、この世に生を受けてから息を引き取るまで、どんなことがあっても、何らかの方法

 で栄養を摂取していかなければなりません。

  それはなぜかと言えば、

 1)自分でエネルギーを生み出すことができない エネルギーの補給のために食べる

    例:糖質、脂質、タンパク質はエネルギー源です。

  2)生きていくために必要な栄養素を体内で生産することができない

     必要な栄養素を食物から補給する

    例:ビタミン、ミネラル、必須アミノ酸など 体で作ることができない栄養素です。 

  というように、食事をすると言うことは生命維持に必須なのです。

 

  しかし、現在のわが国のように、お金さえあれば、いつでもどこでも、食べたいもの

 がなんでも手に入る時代になると、食糧難で今も苦しんでいる発展途上国の人々の食事を

 とるという意味とまったく異なり、

 食事をすることの意味があいまいになってきます。

 

2-2 食品は、エネルギー補給と必須栄養素の補給のためだけに必要なのだろ

 うか?

  食べ物の種類は、動物性、植物性食品など無数にあります。それらを、目の前にしたとき、

 思わず手を出したくなる食品もあれば、

 見た目にまずそうだったり、口に入れたくないような感じの食べ物

  

 

 も経験したことがあるでしょう。

  食べ物には、特徴があります。

  色、形、匂い、堅さ、食感など 

  皆さんは、これらの要素のうち、何を優先して食べ物を選択しますか?

 (例:スーパーの食品の配置)


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