オウバク(黄柏:黄檗)

1)オウバク(黄柏または黄檗)とは

キハダ(学名:Phellodendoron amurense Ruprecht)またはその他同族植物(ミカン科;Rutaceae)の周皮を除いた樹皮。第十三改正日本薬局方収載生薬の一つ。弱いにおいがあり、味は極めて苦く、粘液性で唾液を黄色に染める。

健胃薬、止瀉薬(ししゃやく:下痢を抑える)として適用される。

2)オウバクの成分

オウバクの主成分はberberin(ベルべリン:アルカロイドの1種)。他にアルカロイドとして少量〜微量のpalmatine、magnoflorine、phellodendrine及びjateorrhizineなどを含む。その他、苦味成分としてobakunone(欧米の論文ではobacunoneと記載:オバクノン)、limonin(リモニン:別名obakulactone:注意:精油に含まれるlimoneneリモネンとは違う)、butenolideなどを含む。

3)オウバクの機能性

主成分のベルべリンには抗菌作用(黄色ブドウ球菌、赤痢菌、コレラ菌、淋菌など)など多数の報告があるが、消化管に対する作用は明確ではない。(第十三改正日本薬局方解説書、廣川書店、1996年、D-138〜144)。

limonin及びobakunoneはクロラロース・ウレタンによる麻酔時の睡眠時間短縮作用を示し、その効果はobakunoneの方が強かった。(文献)

文献:Wada, K., et al., Chem. Pharm. Bull., 38,2332(1990);Wada, K., et al., Chem. Pharm. Bull., 40,3079(1992).

(最終更新日:1999.3.3:一部誤字を訂正)

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