文部科学省「平成16年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム」
地域への健康支援と融合・連携した学生教育

実施報告

本取組は平成18年度をもって終了した。しかしながら、この3年間に行ってきた健康をテーマにした地域支援、及びそれと連携した学生教育が終了するわけではない。この経験と実績を踏まえ、新たな展開を提案している。既に大きな成果が上がっているもの、あるいはその流れができている案件についてはさらに強力に推進すべきであり、一方、問題点のある案件については早急に改善策を打ち出し、今後の展開について町と大学が連携してアイデアを出し合い、双方のニーズに応える形としたい。
 見直し、あるいは改善していかなければならない案件は2件である。
 1件目は、町内の歯科健診体制である。全員健診を目指すための対策を打ち出す必要がある。そのためには、健診の場の問題、健診に当たる人材の確保、資金の確保、住民の歯科に対する意識を変容させるための対策などが挙げられる。住民のニーズを開発するような教育体制、広報活動などを地道に行っていく必要がある。
 2件目は「歯の健康プラザ」の有効活用である。現状の問題点は理想と現実との解離である。第一次予防は大切であるが、住民にそのニーズがない。特に当別町のような大都市近郊という立地条件を考慮すると困難が予想される。ニーズを作り出すにはこれも地道な教育が必須である。そこで、プラザでの歯科健診のみの業務は早期に終了とし、本学の人材を活用し、全身の健康、特に生活習慣病、メタボリック症候群など住民の関心事と一致させた相談コーナー、講習会を行う場としていきたい。さらに薬学部教員によるお薬相談、看護福祉学部教員による介護予防講座、栄養士による栄養相談、外国人教員による英会話教室、SPによる医療面接課外授業などを展開し、住民の学びの場、サテライトキャンパスとしての学生教育の場とするべきであると考える。また、子ども達との交流の場として土日を遊び場として開放し、学生あるいは老人クラブの方々に監督、指導してもらうなどのプロジェクトを考えている。折しも文部科学省では小学生の放課後交流などを懸案事項としており、その具体案を提示できる可能性がある。場所も歯の健康プラザにこだわることなく、「出前」なども行う。