文部科学省「平成16年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム」
地域への健康支援と融合・連携した学生教育

実施報告

@ 学生教育カリキュラム

全国の歯科大学、あるいは大学歯学部において、これほどの規模で、また、地域と連携した形でSPを養成している所は少ない。これは「大学のある町」当別町に立地する本学だからこそ実現できるものであり、「キャンパスレス教育」を具現化した例の一つである。現在、本学歯学部のカリキュラムも徐々に変化しつつある。低学年から高学年まで一貫したコミュニケーション教育を行うべく改変中である。これもSPを活用した授業が大きなインパクトとなっていることは言うまでもない。OSCEが最終目標ではなく、医療人養成の一つの評価法としてOSCEを位置付けるべきであり、その全体像を学生に示すことができるようなシラバスを作成するべきである。さらに、医療系総合大学として、学内の他学部での活用も目指している。歯学部のみならず、本学心理科学部でもOSCEが行われ、SPが活躍した。また、薬学部は6年制への移行に伴いOSCEを施行する。

A 研修医教育

さらに学部学生だけでなく、研修医の教育にも影響を与えると考えられる。現在の研修医制度は発足したばかりで未熟であり、様々な問題点を抱えている。その一つに研修医の臨床能力不足がある。見学主体で卒業した学生に臨床能力など望むべくもない。従って、卒後に改めて教育をしなおさなければならない事態に遭遇する。そこでSPの活躍する場がある。特に初の医療面接トレーニングには力を発揮すると思われ、平成19年度より研修医教育プログラムに組み込む予定である。

B 当別町からあいの里へ

本学は当別にキャンパス(歯、薬、看護福祉学部)とあいの里キャンパス(心理科学部)を擁する。また、医療施設も当別の歯科内科クリニックと、あいの里の北海道医療大学病院を設置している。当別とあいの里は近接していることもあり、教員や学生の行き来も盛んである。本取組で行ってきた地域連携はあいの里でも生かされている。小学生を対象とした1日歯医者さん、あいの里で行われる「あいあい祭り」での様々なイベント、北海道医療大学病院を見学する「病院探検隊」などは当別で行ってきた取組の波及効果と言ってよい。