教育概要
機能形態学I(第1学年後期)※新カリキュラム対応
担当教員:泉 剛
本科目では、疾患発生のメカニズムや予防・治療を理解するための基礎として、人体を構成する各器官の正常な構造と機能を学ぶ。
機能形態学II(第2学年前期)※新カリキュラム対応
担当教員:大橋 敦子、鹿内 浩樹
近年の生命科学の進歩は著しく、多様化且つ専門化しています。薬学部学生を含め、医療家の学生には、その生命科学の最先端の知識を学び、理解することが求められています。そのためには、先ず、”生命科学の基礎”という土台を築くことが大切です。 本講義では、前年度で履修した機構形態学Ⅰに基づいて、疾患発生のメカニズムや予防・治療を理解するための基礎として、人体を構成する各器官の正常な構造と機能を学んでいきます。
臨床医学概論(第2学年前期)※新カリキュラム対応
担当教員:泉 剛、鹿内 浩樹
疾患の発見、病態把握の基礎となる自覚症状や他覚症状の観察とその情報収集につとめる習慣はすべての医療分野において極めて重要である。本講では疾患に伴って現れる主要な症候について学修し、症状および徴候が出現する機序について学び、その背景となる疾患を理解する基礎知識を身につける。また、薬物治療を実践するに当たって、様々な疾患の病態やその背景並びに臨床経過を理解することは極めて重要である。本講では、いくつかの代表的な疾患についてその病態・病因、並びに関連する病態生理学的な背景などについて学び、各論となる今後の薬物療法学で学修するための基礎となる知識を修得する。さらに、本講では重要な臨床検査の概要についても解説する。
薬理学総論(第2学年前期)※新カリキュラム対応
担当教員:鹿内 浩樹
チーム医療における薬剤師の役割は、医薬品に関する専門家としてその適切な選択・使用に努めて、適正な薬物治療に貢献することである。そのためには、薬理学、病態生理学、臨床薬理学などを基礎とする薬物療法に必要な知識の統合的な理解が求められる。薬理学総論は、薬物療法学の講義に先立って、薬物の生体に対する作用に関する基本的知識を習得することを目的とする。
薬物療法学II(第3学年前期 ※令和4年度以前入学者)(第2学年後期 ※令和5年度入学者)
担当教員:泉 剛
薬物療法学Ⅱでは、てんかん、統合失調症、うつ病、パーキンソン病や脳血管疾患などの様々な中枢神経系の疾患の病態生理、薬物治療、治療薬物の薬理作用について、機能形態学的、病態生理学的知識に基づいて体系的に学ぶ。また、代表的な中枢神経作用薬の化学構造も例示する。
薬物療法学III(第3学年前期)
担当教員:大橋 敦子
様々な疾患の病態生理学的背景や臨床経過を理解することは、薬物治療を実践するに当たって極めて重要である。薬物療法学 Ⅲでは、皮膚・感覚器・血液の疾患について、その病因・病態を理解し、関連する薬物の薬理作用や薬物治療の理論的背景と合理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
薬物療法学IV(第3学年前期)
担当教員:大橋 敦子
組織が傷害を受けると、炎症・免疫反応により有害因子(異物や壊死組織など)が除去され、その後、組織修復反応によって治癒に至る。この一連の反応に異常が起これば、組織は正常に修復されず様々な疾患の要因となる。薬物療法学Ⅳでは、炎症・免疫反応の異常によって起こる疾患(炎症性疾患、アレルギー疾患、自己免疫疾患など)に焦点をあて、病態メカニズムと薬理 学的背景に基く薬物療法について学習する。
薬物療法学V(第3学年前期)
担当教員:鹿内 浩樹
薬物療法学では、患者情報に応じた薬の選択、用法・用量の設定および医薬品情報・安全性や治療ガイドラインを考慮した適正な薬物治療に参画できるようになるために、疾病に伴う症状などの患者情報を解析し、最適な治療を実施するための薬理、病態・薬物治療に関する基本的事項を修得する。本講義では、呼吸器系・消化器系に作用する医薬品の薬理および疾患の病態・薬物治療に関する基本的知識を修得し、治療に 必要な情報収集・解析および医薬品の適正使用に関する基本的事項を身につける。
薬物療法学VI(第3学年後期)
担当教員:鹿内 浩樹
様々な疾患の病態生理学的背景や臨床経過を理解することは、薬物治療を実践するに当たって極めて重要である。薬物療法学Ⅵでは、心血管疾患と循環器関連治療薬、体液・電解質や利尿薬などの循環系に関わりの深い疾患について、その病因・病態を理解し、関連する薬物の薬理作用や薬物治療の理論的背景と合理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
薬物療法学VII(第3学年後期)
担当教員:大橋 敦子
様々な疾患の病態生理学的背景や臨床経過を理解することは、薬物治療を実践するに当たって極めて重要である。薬物療法学ⅥIでは、代謝・内分泌系及び泌尿・生殖器系の疾患について、その病因・病態を理解し、関連する薬物の薬理作用や薬物治療の 理論的背景と合理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
医薬品安全(第4学年前期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
医薬品の安全性および毒性について学ぶ。薬物は量が多過ぎたり、適応を誤ったり、投与を受ける生体側の諸条件に先天的または後天的に変化が存在するか、または生じたりすると、如何に安全と思われる薬も有害な生体反応を起こすことになる。生体によって不利な作用は薬物の副作用とされ、さらにその程度が強い場合には生体に重篤な異常事態を引き起こすことになる。これを中毒と総称している。中毒は最悪の場合には死につながる。すべての薬物は本質的に副作用または中毒作用を起こす可能性を内蔵しているものである。臨床使用においての副作用を回避するため、主として医薬品の人体に対する副作用および中毒の副作用機序ならびに治療法を解説する。
臨床検査医学(第4学年前期)
担当教員:泉 剛、鹿内 浩樹
今日臨床の様々な場面において、検査情報が果たす役割はますます増加し、その内容も極めて多様化している。これら臨床検査を中心とする一連の診断プロセスと病態との関係を総合的に学習する。臨床検査医学の進歩は、疾患の診断、治療、予後の判定など患者に多くの福音をもたらした。一方、薬剤の開発と進歩に従い、尿中、血中濃度の測定も一部可能になり、薬剤師の果たす役割も多様化するようになった。臨床診断学では、日常頻繁に使用されている臨床検査項目について、検体採取から臨床的意義並びに検査値の基本的な考え方などについて、臓器別疾患ごとに詳述する。
臨床薬理学(第4学年前期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子
これまでに学んだ医薬品の薬理作用の知識を基に、疾患の病態を考慮して選択すべき薬物治療について臨床的観点から考察を加える。
1. 薬物の人体への作用を整理して、疾患治療における有用性を知る。
2. 臨床での薬物治療という観点から、病態との関係に基づいた合理的な医薬品の使用方法を学ぶ。
3. 医薬品の薬理作用と主な副作用を考慮して、各種疾患に対する治療効果を学ぶ。
薬学特別演習V【薬理・薬物治療・薬剤・法規】 (第4学年前期)
担当教員:鹿内 浩樹
〈薬理・薬物治療系〉
☆薬物療法学I~VIIIの基礎的事項について十分理解できているかを再確認するため、自主的に問題演習を行う。
応用生物学特論(第4学年前期)
担当教員:大橋 敦子
1年次から3年次までに学習した生物系基礎薬学科目の重要ポイントを再確認し、弱点を補強する。さらに、これまでに学んだ事柄が、研究及び臨床現場でどのように用いられているのかを学ぶ。また、各科目の知識を統合することにより、薬剤師として必要な総合的知識を習得することを目的とする。
薬学英語II(第4学年後期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
薬学分野の専門英語の習得を目標とし、少人数で医学・薬学に関連する英文資料の内容を理解し、問題点の抽出、解決のための調査を通して関連事項の理解を深める。
医学・薬学分野の基礎的な英文を理解し、要約できる能力を醸成するため、医療関連分野の英文を読み、内容の理解、内容の問題点などを討論し、問題解決のための方策について学習する。これらの学習によって、医療現場で必要な医療情報を的確に収集し、内容を理解し、説明できる基礎的能力を身につけることを目的とする。
実務実習前実践演習II(第4学年後期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
5年次の実務実習に向け、4年次までに学習した医療薬学(薬理・薬剤・情報)系科目の基礎的事項について、問題演習を中心とした総合的なまとめの学習を行う。
臨床画像解析学(第6学年前期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子
臨床の様々な場面において、画像情報が果たす役割はますます増加し、その内容も極めて多様化している。また画像情報の進歩は、疾患の診断、治療、予後の判定など患者に多くの福音をもたらした。本講では、代表的な8疾患を中心に、日常頻繁に使用されている画像検査の観点から、その臨床的意義並びに基本的な考え方などについて学ぶとともに、一連の疾患診断プロセスと病態との関係を総合的に学修する。
フィジカルアセスメント(第6学年前期)
担当教員:泉 剛
フィジカルアセスメント(診察によって患者さんの身体所見を得て、病状を評価すること)は、薬の有効性や有害作用を確認するために必要な技能である。また、在宅訪問診療などで、他の医療スタッフとコミュニケーションをとる際にもフィジカルアセスメントの知識が必要である。本科目はフィジカルアセスメントの実習を含む講義であり、卒後の薬剤師実務に役立つことを目指している。
基礎薬学複合演習Ⅲ(第6学年前期)
担当教員:大橋 敦子
1年次から5年次までに学習した基礎解剖学、基礎生化学、生化学Ⅰ、Ⅱ、遺伝子工学、生理化学、微生物学、微生物化学、免疫学などの生物系基礎薬学科目を復習しながら重要ポイントを再確認し、弱点を補強する。また、各科目の知識を統合することにより、薬剤師として必要な実際に活用できる総合的知識を修得することを目的とする。講義、演習、課題等を連動させることにより学修効果を高める。
医療薬学複合演習Ⅰ(第6学年前期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
これまでに学んだ薬理・病態・薬物治療に関する基礎的な知識を集約して学修することにより、これらの分野を統合的に理解し薬物療法における幅広い応用力を身につける。
基礎薬学総合演習(第6学年後期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
5年半にわたって学んできた基礎薬学系科目の個々の知識を統合して考察することによって、医療薬学や社会薬学の理解を深めることができる総合力を養うことを目的とする。
医療薬学総合演習Ⅰ(第6学年後期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
5年半にわたって学んできた薬理、病態生理、薬物治療に関する知識の習熟度向上をはかり、基礎薬学、社会薬学、医療薬学系科目について統合的に理解を深めるための応用力を修得する。
【実習】医療薬学Ⅰ実習(第3学年後期)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
薬理学とは薬物と生体の相互作用を研究する学問であり、薬物が生体にどのような機序でどのような反応(薬理作用)を引き起こし、どのように処理されていくか(吸収、分布、代謝、排泄=薬物動態)を追及するものである。その作用が生体に不利益のみをもたらす場合はその物質は毒物となる。すべての薬物は適正に使用されないと毒物となる危険性がある。ある薬物を医薬品として開発し臨床の場に提供するまでには、その効力ならびに毒性に関する基礎的性質を非臨床試験により明らかにしなければならない。これはほとんどが動物実験を用いて、薬効薬理試験(治療目的の作用を調べる)、一般薬理試験(治療目的以外の作用も調べる)、一般毒性及び特殊毒性試験を行う。逆に薬理試験あるいは薬理実験から生命現象が解明される場合もある。
本実習では、全動物(in vivo)あるいは摘出臓器(in vitro)を用いた種々の実験方法により、機能形態学、薬理学および臨床薬理学で学んだ薬物についてその薬理作用を実際に試験し、確認する。実習に臨むにあたってその内容、目的をよく理解し準備しておくことが大切である。また、注意深い観察と結果の忠実な記録、そして適正なデータ処理が必要であることを実習を通して理解する。
【研究】薬学基礎研究I, II, III
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
配属された研究室の担当教員と原則マンツーマンで実験・調査研究を1年を通じて行う。問題発見・解決能力を養う。
卒業研究の実施や将来医療現場での様々な研究活動に参画できるようになるために、研究課題を通して科学的根拠に基づいて問題点を解決できる能力や態度を習得する。課題達成のために、論理的思考の醸成、他者の意見を理解し討論する能力の醸成、研究活動に関わる諸規則を遵守し、倫理・環境に配慮して研究に取り組む態度などを習得する。さらに研究活動を通して、創造の喜びと新しいことを発見する研究の醍醐味を知り、薬学の総合的理解を深めることを目的とする。
※令和4年度以前入学者は薬学基礎研究II:第3学年、薬学基礎研究III:第4学年。
※令和5年度以降入学者は薬学基礎研究I:第1学年(後期)、薬学基礎研究II:第2学年(通年)、薬学基礎研究III:第3学年(通年)
実際の研究内容は、年度初めに配布される資料を参考にしてください。
【研究】総合薬学研究(第4~6学年通年)
担当教員:泉 剛、大橋 敦子、鹿内 浩樹
第4学年2月より病院薬局あるいは保険調剤薬局において長期実務実習を行うが(平成27年度入学者以降)、その実習以外の期間と、第6学年後期の薬学総合講義までの期間はそれぞれの配属研究室において総合薬学研究を行う。
この総合薬学研究では、研究志向、成績も反映させて学生を実験研究コースと調査研究コースの2コースに分けて行う。
☆実験研究コースでは、各研究室の研究テーマに関連した課題について実際に実験研究を行うことにより科学的技能、態度を身につけるとともに、創造的研究活動の重要性を理解する。
☆調査研究コースでは、各教室の研究に関連したテーマなどの様々な課題についての調査研究を行うことにより、科学者としての薬剤師として現場において職務を全うするために必要な知識と調査を行う技能を習得する。