1)ビタミンB1とは
微量必須栄養素の一つで、ビタミンB群に分類される水溶性ビタミン。別名:塩酸チアミン。活性型ビタミンB1(チアミンピロリン酸)。
2)ビタミンB1の生理作用
ビタミンB1の生理作用は抗脚気因子、抗神経炎作用。エネルギー産生(特に糖質代謝)に中心的な役割を果たすビタミンであり、
グルコースの代謝により生成するピルビン酸をアセチルCoAに変換する際
の必須因子である。
3)ビタミンB1の欠乏症
ビタミンB1の欠乏症は脚気、ウェルニッケ (Wernicke) 脳症などが知られているが、多数の食品(植物性:豆類、胚芽、酵母、動物性:肝、豚肉、卵
黄など)に含まれていることから、偏らない食事をしているかぎりは欠乏す
ることはまれです。
しかし、高カロリー輸液療法(生命維持に必要な成分を経中心静脈的に投与
する方法)のような場合、ビタミンB1の欠乏状態が生じ、乳酸の蓄積に伴う
代謝性アシドーシスを引き起こし、短期間で死に至る場合があります。
このような場合は、炭酸水素ナトリウム注射液等のアルカリ化剤投与では回
復せず、ビタミンB1の急速静脈内投与による処置が必須です。
参考:医薬品等安全性情報 No144、厚生省医薬品安全局安全対策課(H9/9/29)
http://www.mhw.go.jp/search/docj/houdou/0909/h0929-1a.txt
(最終更新日:1999.5.26)
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