サルモネラ食中毒

(Salmonella Food Poisoning) 

1)サルモネラ食中毒とは

代表的な感染型食中毒の一種。

潜伏期間:12-24時間 (文献によっては8〜48時間)

特徴:38-40℃の発熱を伴う急性胃腸炎、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、

   発熱による全身倦怠などで、ふつう4-5日で平熱となり回復。

通常、およそ1万個以上の菌量で感染すると言われているが、乳幼児や学童は

1000個以下でも感染する可能性がある。

2)サルモネラ食中毒の原因

サルモネラ菌が家畜や家禽に分布するため、食肉や鶏卵などからの汚染食品が

原因となることが多い。

3)サルモネラ食中毒の予防

感染型食中毒の予防法として、

 1)食品への病原菌汚染防止

 2)食品中の病原菌増殖防止

 3)加熱などによる食品中の病原菌の死滅

であり、一般には、60℃、20分の加熱で死滅。

食品を喫食直前に加熱調理するのが効果的。

10℃以下ではほとんど発育しないので、食品は低温で保存する。

4)サルモネラ菌の特徴

腸内細菌科(enterobacteriaceae)

 1885年:Salmonらがブタコレラから初めて分離

 性質:グラム陰性桿菌、芽胞形成しない。周毛性鞭毛を持つ。

    通性嫌気性。元来動物の病原菌で人畜共通疾病原因菌。

 病原性:血清型分類により、約2000の菌種。

   ヒトに病原性を有するもの:

    チフス性疾患:チフス菌(S.thpyi)、パラチフスA (S.paratyphi A)

      これらは経口伝染病として扱われる。

    感染型食中毒菌:代表的なもの

       S. typhimurium ネズミチフス菌

S. enteritidis ゲルトネル菌、腸炎菌

 感染源と感染経路:

ネズミ、家畜、昆虫類、は虫類、両生類など広範な動物を宿主とし

て広く分布。食品を介し、ヒトに感染場合が多い。

生卵を用いる料理で感染が多い。市販生食肉のサルモネラは鶏肉が

危険。

  日本では腸炎ビブリオと並んで感染型食中毒の患者数が多い。  

 乳幼児の場合、ペットのイヌ、ネコ、ミドリガメなどから感染することもある。

(最終更新日:1999.4.20)

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