GSH (グルタチオン)

1)グルタチオンとは

グルタミン酸、システイン、グリシン(いずれもアミノ酸)から成るトリペプチド(アミノ酸が3分子アミド結合した小分子:オリゴペプチド)であり、非たんぱく質性のSH成分として細胞内に多量に存在する。臓器によって異なるが、細胞内濃度は一般に0.5〜10mMの範囲と言われており、通常還元型が大部分を占める。還元型をGSH、酸化型をGSSGと表す。

2)グルタチオンの機能

グルタチオンは、ラジカルの捕捉、酸化還元による細胞機能の調節、各種酵素のSH供与体であり、抗酸化成分としても知られる。

細胞内のグルタチオン濃度が低下しているような状況では、薬物による毒性の発現する可能性が高い。(例:アセトアミノフェン)

活性酸素(スーパーオキサイド、過酸化水素など)と反応して、安定なグルタチオンラジカルを形成し、2量体化(GSSG:酸化型グルタチオン)に変化するが、これはさらに、グルタチオンレダクターゼがNADPHからの電子をGSSGに転移して、GSH(還元型グルタチオン)に再生される。

また、解毒代謝に関与し、体内の有害物質がグルタチオンと結合し(グルタチオン抱合)、グルタミン酸とグリシンが切れることにより、メルカプツール酸となって排泄されると考えられている。

3)食品由来のグルタチオンの意義

食品由来のグルタチオンも、抗酸化成分として広く分布しているが、現在のところ生理的意義の詳細はわかっていない。

4)グルタチオンの生合成

グルタチオンは生体内で5-L-グルタミルシステインからグルタチオンシンテターゼによって合成される。

(最終更新日:1999.2.22)

このペ−ジの青色の文字はその言葉の説明あるいは資料デ−タベ−スにリンクしています。ご利用ください。

キ−ワ−ド索引へ/研究者向けトップペ−ジへ/一般の人向けトップペ−ジへ/

和田研究室トップペ−ジへ/衛生化学講座トップペ−ジへ